国宝 雪松図と吉祥づくし
三井記念美術館|東京都
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じっくりと、様々な吉祥文を、松の雪を。
吉祥を表すために特定の動植物を描いた作品勢揃えの展覧会。動植物の持つ本来の姿に加え、同発音の漢字の内容につながることも多い。
・植物
「松」:永遠不変、長寿。取り合わせにより祝賀的な雰囲気を演出する。
「牡丹」:富貴の花。国色天香(国で最も美しい色と芳香)。中国貴族に好まれる。
「牡丹唐草」「蔓草」:子孫繁栄
「牡丹と猫」:長寿を意味する「耄」と「猫」は同発音のため富貴の象徴と共に描かれる。
「蓮」:「連」(続く)と同発音のため、子孫繁栄を意味する。
「紅葉の赤」:病気除け。
・果物(吉祥果)
「枇杷」満樹皆金。
「柘榴」種が多く長子の象徴。
「ライチ」虫害を受けず樹齢100年以上の老木も実を結ぶ。
「瓜、葡萄などツル性の植物」多子、子孫繁栄。
「桃」:不老不死
・動物、鳥
「鹿」:「禄」と同発音のため好まれる。
「鶉」:「安」と同発音のため好まれる。安らかさの象徴。
「雉」:夫婦円満
「ミミズク」:子どもを天然痘から護るお守り。
「寿帯鳥(サンコウチョウ)」:長寿の意。
「燕」:「宴」と同発音のため、祝い事に用いる。
「蟈・キリギリス」:「官」と同発音のため、出世の象徴。
「オウム」
・《黒大棗》利休在判、1口、桃山時代・16世紀、北三井家:白地に金の大牡丹。
・《牡丹蒔絵太鼓胴》1口、江戸時代・19世紀、北三井家:金春家の牡丹を写したもの。一峯斎(いちみねさい)。
・《牡丹唐草蒔絵螺鈿笛筒》1 管、笛筒:江戸時代・19世紀、北三井家:笛筒に施した蒔絵。花の芯部分に螺鈿を施す。
・《重要文化財 玳皮盞 鸞天目》1口、南宋時代・12-13世紀、室町三井家:山西省・吉州窯焼きの天目。胴の釉が玳琩(たいまい)ウミガメの甲羅から作られるべっ甲似。伝説上の鳥「らん」:君主が徳政を行った時にのみ現れる鳥を描いている。
・《藤花独猫図》1幅、沈南蘋 清時代・18世紀、北三井家
・《国宝 雪松図屏風》6曲1双、円山応挙、江戸時代・18世紀、北三井家:描かれたモチーフは「その場に存在するかのような絵画」という観点で語られる。降り続いた雪がや止みみ朝を迎え、外に出ると陽光に照らされキラキラ輝く松。金泥や砂子を用いて光を表現。「松に雪」とはいえ作品に雪は描かれていない。残されている「白い下地」が雪。描かれているのは枝や葉、幹の影となる部分。「描かれたモチーフは“その場に存在するかのような絵画”という観点で語られる」と。
・《堆朱乗鶴仙人図桃形料紙箱》1合、清時代・17-19世紀、室町三井家
・《枇杷寿帯図》1幅、沈南蘋 清時代・18世紀、北三井家
・《白鸚鵡図》1幅、沈南蘋 清時代・18世紀、北三井家
・《鳳凰蒔絵太鼓胴》1口、江戸時代・19世紀、北三井家:八木作、金春惣右衛門國義所持
・《赤地金襴手鳳凰文天目》1口、永樂和全、明治時代・19世紀、北三井家:明治20年(1887)京都博覧会で表千家11代碌々斎点前で用いた。
・《祥瑞写芋頭水指》1口、永樂保全、江戸時代・弘化4年頃-嘉永7年(1847頃〜54)北三井家:叭々鳥=瑞鳥。
・《祥瑞写松竹梅図平茶碗》1口、永樂保全、江戸時代・文政10年-天保4年(1827-43)、室町三井家:喜鵲(キジャク)は喜びを知らせる鳥=さきがけ=梅との組み合わせで描かれる。
・《真鶴羽箒 前後軒園中鶴羽》1本、飛来一閑、明治時代・19世紀、北三井家:明治天皇の献茶で使用。
・《東都手遊図》1幅、源琦、江戸時代・天明6年(1786)、浅野家
・《琵琶香合》1合、時代・制作地不詳、北三井家:弁財天さまの持ち物
・《重要文化財 翁(白色尉)》1面、(伝)日光、室町時代・4-16世紀、北三井家
・《重要文化財 小尉(小牛尉)》1面、(伝)小牛、室町時代・14-16世紀、北三井家