フランソワ・ポンポン展 ~動物を愛した彫刻家~
京都市京セラ美術館|京都府
開催期間: ~
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美術や彫刻に詳しくない方にも、オススメです
コロナ禍でしたので、なかなか外出もできず会期ぎりぎりになんとか訪問できました。
こういうご時世ですので、美術展の企画自体が困難でしょうし、海外の美術館から作品を借り受ける事も大変かと思います。
展示されている作品の大半が、群馬の舘林美術館からのもので小さな作品メインだったので『国内初の回顧展』と銘打つには、少し物足りない印象もありました。以前に、フランスを訪れた際にオルセー美術館にて、巨大なシロクマを観て感銘を受け、個人的な期待値が高すぎたせいかもしれません。
とはいえ、ポンポンの無名時代の作品から晩年に至るまで、系統立てて分かりやすく展示されていましたのは良かったと思います。
ロダンの下彫りを務めていたというだけあって、初期の作品は非常に写実的なものや精細な人物彫刻も展示され、興味深いです。
ポンポンが名声を得た晩年の動物彫刻は、動物と真摯に向かい合い徹底的に観察して、その動物が持つ長所や特徴を残して、極限まで省略して単純なフォルムに仕上げられています。ですが、簡素化されて表面を滑らかに磨き上げられていても、生命の持つ力強さや躍動感は、しっかりと感じられ、観るものを惹きつけてやまないと思います。
ポンポンの作品は、彼自身の温かい人柄と動物への愛情に溢れ、コロナ禍の過酷な時代を生きる我々に、小さな優しさや幸せ与えてくれます。
こういうご時世でなければ、何度も足を運びたい展覧会でした。
京都での会期は終わってしまいましたが、名古屋でも開催されますので、美術や彫刻に詳しくない方でも、足を運ばれてはいかがでしょうか。