仏教美術研究上野記念財団設立50周年記念 特別企画 新聞人のまなざし─上野有竹と日中書画の名品─
京都国立博物館|京都府
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緊急事態宣言解除前の今こそ京都かも
京博は、東博や奈良博と違って、旧館がコレクション展としてまだ使えない。何年もあそこで展覧会を開催してきたが、現在の耐震基準に合わなかったのだろうか。それで春と秋の大きな特別展の合間に新館でのコレクション展となっています。
つまり、特別企画展で思わぬ作品に出くわすことがあるのです。
例えば1月末までの『文化財の修理の最先端』では『俵屋宗達筆 国宝 蓮池水禽図』が目の前に現れ、久しく美術館に出かけていなかった私は涙しそうになりました。
さて、今回の特別企画は大阪朝日新聞社の創業者の一人である上野理一のコレクションと言ことで、もう一人の創業者、香雪美術館の村山龍平コレクションと並ぶものかのかもしれません。お目当てはメインビジュアルとなっている『国宝 山越阿弥陀図』でした。阿弥陀の手からの五色の糸と繋がって死に臨む。その五色の糸はもちろん今はなく、なんども使われてか?修理されたアトがあるとのことでした。截金でしょうかとても綺麗に残っています。安らかに死を迎える儀式であったのでしょう。
このお隣にあった『両頭愛染明王像』赤と黒の2つの頭を持つ、ちょっと怖いけれど色彩鮮やかな美しい仏画でした。上野理一も近代数寄者のお一人で号は「有竹」、この仏画は数寄者としてのコレクションで、三渓さんの『孔雀明王像』を思いました。
コレクションには、経典や古典籍も多いようで、作品自体は多分とても貴重なものということ以外はよくわからないのですが、羅振玉旧蔵で内藤湖南の仲介で上野さんのコレクションとなったという来歴に「内藤湖南!おぉ~」となりました。
まだ、緊急事態宣言下の京都、このちょっと地味にも思える特別企画に足を運んでくる人は、これが観たい!との方が大半でしょうから、密にもならずとても静かでじっくり拝見しました。
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- BY morinousagisan