
生誕160年記念 グランマ・モーゼス展―素敵な100年人生
名古屋市美術館|愛知県
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モーゼスおばあちゃんの幸福なまなざし
東京に住む姉からぜひ見に行って!と言われて、気になっていたので会期間近の日曜日に訪問。
正式な美術教育を経ていないのに、村の絵を描き続けて時の人となったモーゼスおばあちゃん。10年ほど前の某番組で、アップルバター作りの絵を見たような見ていないような。知っていることはそれだけでも、モーゼスおばあちゃんの優しい眼差しを通したキャンバスを見ていくうちに、いつのまにか優しい気持ちになっていく。
独特のタッチに緑が印象的な色使い。高頻度で現れる黒い犬、馬、荷車。知らない村の日常やイベントがどんどん自分のもの(見慣れた風景)になっていく、懐かしい感覚。
この心地よさは、モーゼスおばあちゃんが幸せだったから、その温かい視線がキャンバスを通じて私たちにも見えるからだと、駆け回る子どもたちを見て気が付いた。
毎日変わらず繰り返される面倒な家事労働、厳しい自然の中で生きるひとたちの暮らし。そんな中でも見い出せる日々の楽しみや喜び。ああ、しあわせってすぐそばに溢れていたんだった。
今回の展覧会を見終わって、ずっとしあわせな気持ちで絵を見てきたことに気がついた。忙しい暮らしの中で忘れていた、暮らしの中のあらゆるものへ感謝を見出すこと。幸福に生きるヒントを、モーゼスおばあちゃんに教えてもらった気がする。
暴風雨の中、洗濯物をのんびり取り込むような暮らしのゆとり。忘れずに明日からまた1週間、生きてみよう。
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