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山本理顕展 コミュニティーと建築

山本理顕展 コミュニティーと建築

横須賀美術館|神奈川県

開催期間:

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山本理顕展:愛する美術館で出会う、建築家の思想

横須賀美術館で開催中の「山本理顕展」に行ってきました。

この美術館は以前から幾度となく訪れている、私のお気に入りの場所の一つです。本展の特別な点は、会場そのものが建築家・山本理顕氏の代表作である横須賀美術館であることです。愛着のある建物で、その建築家の思想に触れるという、まさに二重に特別な時間を過ごすことができました。

【空間が語る、建築家の哲学】
観音崎の海に面した美しい立地に建つ横須賀美術館は、その設計自体が一つのアート作品です。背後の地形を巧みに取り込み、海と一体化するように建てられた建物は、自然との調和を見事に体現しています。館内に入ると、ランダムに配置された窓から光が差し込み、時間とともに空間の表情が豊かに変化します。光と影が描く模様や、風の通り道を感じられる構成は、私がこの美術館を愛する理由の一つです。展示作品を眺めながら歩くだけで、建築が社会にどのように貢献できるかという問いを、頭で考えるのではなく自然に体感できます。静かな館内で模型や図面を間近に眺める時間は、建築家の思考と直接対話しているような感覚でした。

【「閾」が示す、人と人の新たなつながり】
展示の中心は、山本氏が50年にわたり探求してきた「コミュニティと建築」というテーマです。会場に並ぶ設計図面や精巧な模型は、単なる作品のポートフォリオに留まらず、公と私の間にある「閾(しきい)」という独自の概念を立体的に伝えています。都市の公共空間と個人の生活空間がどのようにゆるやかにつながり、新しいコミュニティを生み出すか。模型を間近に見ることで、その思想が目の前に立ち上がってくるようで、建築が人と人をつなぐ力を持つことを改めて実感しました。

【時代とともに変化する建築のかたち】
時系列に構成された展示は、初期の住宅作品から、公立はこだて未来大学や横須賀美術館などの大規模な公共建築まで、山本氏の活動の歩みをたどることができます。その中には、コンペに挑みながら実現しなかったプロジェクトも多く含まれています。「もしこれが実際に建っていたら、どんな風景になっていただろう」と想像を巡らせることは、完成した建築を鑑賞するのとはまた違った創造的な楽しみを与えてくれます。時代とともに変化し続ける建築の姿や、公共性と個人性のバランスを探る試みを感じながら展示を回る時間は、まさに思索の旅のようでした。

【建築がもたらす、社会への問いかけ】
今回の展覧会は、建築の専門知識がなくても十分に楽しめました。そして同時に、建築が単なる「建物」ではなく、人々の生活や社会のあり方、さらには都市の未来にまで深く関わる存在であることを改めて実感しました。建物を鑑賞する喜びに留まらず、社会との関係性まで思いを巡らせることができる、示唆に富んだ特別な体験でした。この展覧会を通じて得られた「建築を通して人と社会の関わり方を考える」という新たな視点は、大げさかもしれませんが、単なる鑑賞を超え、今後の人生に残る大きな収穫です。

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