正倉院 THE SHOW―感じる。いま、ここにある奇跡―
上野の森美術館|東京都
開催期間: ~
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これは貴重な機会なのか?必要な体験なのか?と疑問が湧きながら見てしまう。
お香好きの身として、あの織田信長が所有していたことで有名な伝説の蘭奢待の香り(再現)がかげるというのは貴重な機会だと思って訪問。香りカードも欲しいので、入荷した日の朝に行ってみたら当日券列、入場列、グッズ販売列どれも混雑していて辟易としてしまって一旦退散し、後日改めて訪問しましたが、正直言ってしまうとここ最近行った展示のなかで特筆して良くなかった。
まず人が驚くほど多かったですね。そんなに興味ある人いるのか!?と驚愕。美術館などに活気があるのは嬉しい限り。
しかし展示してあるものは全てレプリカ、模造。そういった事は承知の上だし、美術館ではなく展示会でもなく「イマーシブショー」と銘打たれているものの、それだとしてもあまり面白さは感じなかった。
一つも本物がなく自分は何のために、何を見ているのだろう…?何でこんな展示に時間を割いたのだろう?という自問自答してしまう。映像も宝物の3Dスキャンしたものを回転させたり図柄や画を平面的に動かしたりとチープで大きな画面に映すことでの没入感などはなく必要性を感じない。
レプリカや模造・再現ならば、そこにかける情熱や執念にスポットライトを当ててほしかったが説明も其処まででもなく、物に関する逸話も薄く材質や由来などしか説明されず、今回のための「瑠璃坏」など再現する面白さはあったものの展示の仕方・照明のつけかたもおざなり。大型スクリーンの暗い部屋で、展示しているからよく見えないし、映像の邪魔になるし、人が混雑するし、暗いせいでスマホの自動機能なのか高頻度でフラッシュ焚かれてしまっていた。
その中ではとりわけ良かったのは、最後の現代アーティストたちによる正倉院や収蔵物からインスパイアを受けて制作した作品展示。これだけは間違いなく本物だし、篠原ともえさん、亀田誠治さん、亀江道子さん、瀧本幹也さんと詳しくない方にも通じる著名な方、現代アーティストとして有名な方などを呼んでいて、興味の幅を広げて貰う、正倉院に興味を持ってもらう機会を設けたいという意思がわかって良かったです。
1300年の歴史ある宝物の上、貴重な皇室財産だから容易には持ち出せないのは承知していて、どれだけ丁寧に厳重に管理し扱っているかの説明もあったので、東京で模造でも見れるのだけでも貴重な体験なのかな…?と思いつつも、それにありがたがるのは物や歴史ではなく規則や制限にありがたがってるのか?という疑問がわいてきたり、「奈良では正倉院展で本物展示してるしなぁ…」とか、「歩いてすぐ近くの東京国立博物館や国立科学博物館では1000年、2000年以上前の本物が見れるぞ…?」などと考えてしまった。
最終的に、正倉院に興味持ってほしいのか?正倉院展に来て欲しいのか?奈良や東大寺に来て欲しいのか?何か復興や研究のための資金を集めたいのか?など目的が解らないのもなんともモヤモヤ。
とは言え蘭奢待の再現した香りは嗅げて満足ですし、蘭奢待自体も撮影用レプリカながら想像以上のサイズ感を感じられて良かった。
自分が美術館や展示会に対して何を求めているか、何を見たいか。何故 芸術作品の本物が見たいか、レプリカで感じた感動は本物なのかなど考える良い機会にはなりました。
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