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公園アート(アトラクション、パブリックアート、芸術祭)の先駆け
2つの企画展がやっていて、私は「アプローチ!アーティストに学ぶ世界のみかた」が見たくて訪れたのですが、もう一つの企画展「具体美術協会・芦屋」の魅力にはまり、過去の映像作品があって、全部で1時間以上あったのですが、すべて見入った結果、時間がなくなり、「アプローチ!アーティストに学ぶ世界のみかた」が駆け足になってしまいました。
その魅力の1つが1955年7月に芦屋公園で開催された「真夏の太陽に挑むモダンアート野外実験展」です。兵庫県立美術館のコレクション展Ⅰ「白髪一雄生誕百年特別展示」で見た「赤い丸太」、赤くペンキで塗った丸太が10本使って組まれた三角錐、まったく意味がわからなかったのですが、その直後に本展で、芦屋公園の「野外展」に展示されていた映像を見て、理解が一歩進みました。パブリックアートというより、アトラクション遊具としての使い方で、これは楽しいかもと思ってしまいました。公園という公共エリアで、1955年という時期に芸術祭を開催、先駆的な取り組みで、今、再現しても多くの来場者が見込めるのではないかと思いました。
また、もう一つの企画展「アプローチ!アーティストに学ぶ世界のみかた」で堀尾貞治さんの違う側面を知りました。先日、BBプラザ美術館で開催された「堀尾貞治 あたりまえのこと 千点絵画」で初めて堀尾貞治さんというアーティストを知り、芸術は爆発だ!を実践する勢いしか感じない作品ばかりで、圧倒され続けましたが、今回の「震災風景」は阪神淡路大震災直後の混乱から復興への風景をアーティスト目線で描く冷静さを感じ、新しい一面を再発見しました。
初めて訪れた芦屋市立美術博物館ですが、閑静な住宅街の中にあって、心をぞわぞわさせるとがった作品を多く所属するミュージアムとして、また行きたいと思いました。