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仏画仏像好きにはありがたい、駅前のオアシス。今回も常設と共にゆっくりお会いしました。
特集展示"音を観る"のタイトルに感慨。現世利益の大人気菩薩で、観自在菩薩から観世音菩薩となりこれを略して観音様なのですが、観音様観音様と親しく言いながら、「音を観る」とはついぞ意識したことがありませんでした。<観音><観世音>という名称の由来に関して、妙法蓮華経観世音菩薩普門品には、「若し無量百千万億の衆生ありて諸の苦悩を受け、この観世音菩薩を聞きて一心に名を称うれば、観世音菩薩は即時に其音声を観て皆解脱を得しむ」とあるのだとか。六道六観音のうち十一面観音の彫刻と、聖観音、千手観音、准胝観音、如意輪観音の絵画の展示がありました。このうち、如意輪観音の画像は2点。ひとつは繊細で優美な表現が特徴で、金泥と切金が用いられた鎌倉時代の優品。もうひとつは向って左下に訶梨帝母を描いた珍しい作品です。観音は如来の脇侍として配される場合もあり、その作例も並んでいました。また、観音がまったく異なった姿に変化する三十三応現身と言うのがあるそうなのですが、そのひとつである梵王身の彫刻も観ることが出来ます。何より無料で落ち着いてゆっくり拝めるのがありがたいですね。