4.0
公園とかにあるブロンズ像や銅像の見方が少し変わるかも
今回の主役である古賀忠雄(1903-1979)は、肩書きは彫刻家だけど「技法としては塑造を用いた作家」だそうです。
言われてみれば、そうなんですが、彫刻家という肩書きは一般的なものだけど、塑造家というのはあまり聞いたことがない。というか塑造(像)という言葉もなかなか聞かない。そして今回の展示を見ると、彫刻と塑像は制作過程から作品の扱い方までかなり違いがあることが分かる。そして、そこに起ち上がる問題点がよくわかる展示でした。
大きく違うのは、作家が塑像が粘土などで原型を作って、その原型から他者がブロンズ像などに鋳造して完成すること。そして型ができれば、複製可能なこと。それはすなわち、作家が亡くなっても、再制作可能ということです。その結果、作品はいくつでも作れるし、作家没後でもその数が増えていくし、場合によっては、タイトルが変わったりする。この辺の塑造の特徴が、公園など公共の場に設置されることでいろんな問題を生み出すあたりも解説しています。
ちなみに無料なんですが、写真撮影はOK。展示内容をまとめた有料カタログ(1200円)も用意されていて、なかなか至れり尽くせりな感じです。