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芸術の力で天寿を全うする
堀尾貞治さんという画家について、はじめて知りました。タイトルにもなっている堀尾さんの言葉「あたりまえのことをしていけばあたりまえでなくなりやがて力となる。」に感銘しました。
そして、千点という作品の多さに圧倒される展覧会でした。作品の中には、燃やした跡などもあり、蔡國強さんの火薬をつかった作品を起想しました。油絵のにおいが充満する展覧会場は、堀尾さんのリアルがそのままそこにあるという存在感でした。
年表をみると、病気との闘いで何度も勝ち越えておられたが、最期自死されていることに大変悲しい気持ちになりました。文化・芸術にかかわる方の高齢になってからの自殺を知るにつけ、これだけの芸術家であっても、天寿を全うすることの難しさ、厳しい世界であると感じました。
ただ、私は画家でも芸術家でもないけれど、本来ある芸術の力でこのような悲しい出来事がなくなることを期待したい。