5.0
大江健三郎の短編集と栗原貞子の詩集を再読しようと思う
ヒロシマ賞の関連展示があることは知っていたのですが、新型コロナの影響とかリニューアル工事の関係で2020年開催の予定が2023年夏にずれ込んだらしい。というわけで以前から気になっていた広島市現代美術館へ、2018年のヒロシマ賞の受賞記念展を見に行きました。
全部で9作品。今回の展示に併せて、制作された作品が5点もある。すべて印象深い。まず《われらの狂気を生き延びる道を教えよ》とかかれたネオンサインが会場に向かう廊下の真ん中に立っているのに驚かされる。大江健三郎の作品タイトルだなあ、と思いながら進むと、会場に入ったすぐのところにその英語訳のネオンサインがあるのは面白い。そして、さらに進むとオレンジ色のネオン管でカウントダウンして最後に《生ましめんかな》と表示する作品があって、栗原貞子の詩を思い出す。こんな感じでほかの7作品も鑑賞しました。いずれも計算された展示で飽きさせないし、その問題意識がこちらにも染み渡ってくる作品です。
大江健三郎の「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」を読んだことは覚えているが、内容は忘れたので再読しよう。栗原貞子の詩は読んだことがあるし、これは読み直してみよう、と思いながら退場。ちなみに、その後、コレクション展示と建物周辺の野外彫刻を拝見しました。コレクション展では諏訪敦の《HARBIN 1945 WINTER》、野外彫刻では井上武吉の作品が印象深い。