5.0
家の近くに欲しい現代アート美術館
初めて来た豊田市美術館、大変に雰囲気がよく、熱中症警戒アラート鳴りまくりの暑さでしたが、ここだけ落ち着いた空気感を感じる、美術館の佇まいでした。その理由をギャラリーツアーでボランティアの方に教えて頂きました。豊田市美術館は、猪熊弦一郎現代美術館、ニューヨーク近代美術館 新館を設計した谷口吉生さんの設計で、美術館正面のデザインは、平行線、垂直線からなる市松模様になっているとの説明を聞き、それが日本的な落ち着く雰囲気をつくっていたんだと納得しました。時間がなく建物全て観ることが出来なかったので、また来たいと思いました。
気になる作品「夊」関川航平
展示室に板材の香りが充満し、斜面だけがそこにある存在感、背後の白い壁には、鉛筆でどくんどくん と斜めに書かれ、その対角線上に、上部は、育って育って、下部は、腐って腐って、と繰り返し書かれている。
タイミングよく作家本人によるパフォーマンスを見ることができ、作品の意味を一緒に考えているような感覚になりました。最初、文字情報から、生死を繰り返す生命観の表現かなと思い、単純に人生の坂を表していると思いましたが、ギャラリーツアーボランティアさんから、この坂の角度が23.4度と伺い、一緒にまわっていた方が理系の方で、「あっ、地軸だ!」と即答され、それにも驚きましたが、地軸によって季節が生まれ、夏の思い出、生きる実感を表すパフォーマンス表現になっていることにつながり、地軸の体感を視覚表現されていることに気づきました。楽しい夏の思い出になりました。