≪フィクション・トラベラー≫はなにものか?
「覚えてない!」と「覚えてる」が隣で掛け合っているみたいに、 山と積まれた "引越し跡" の壁向こうでは 3.11 が語られ、そして窓越しには塔が見えて…と、各展示室の中やそれらの直線的な連なりだけでなく、隔てられた作品・語り、(2つ並…readmore
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本展は、ズレをテーマにゆるやかな手法で多様な作品を制作する、美術家・中﨑透による美術館初の大規模個展です。中﨑が近年展開する、インタビューをもとにした文学的インスタレーションに着目し、水戸および水戸芸術館を読み解く最新作を発表するとともに、代表作を含む旧作も取り上げ、中﨑透の全貌を紹介します。
1976年、水戸に生まれた中﨑は高校時代に水戸芸術館 現代美術ギャラリーの活動に出会い、美術家を志す道に進みました。以来、鑑賞者として同館の企画展に触れ、2007年に水戸に拠点を移してからは美術家としても同館の活動に携わるようになりました。
本展では、中﨑の出身地である水戸と中﨑にとって最も身近な美術館である同館をモチーフに、当地および同館にまつわる「もうひとつの物語」を、インタビューとリサーチを通して独自の視点から浮かび上がらせます。また、看板をモチーフとした初期作から、絵画やドローイング、過去のインスタレーションの再構成、カラーアクリルと蛍光灯による近年の立体作品まで、新旧の作品を織り交ぜることで中﨑の活動の軌跡をたどります。
生い立ちから現代美術との出会い、そして美術家として活動する今へ―自叙伝的な色合いをも帯びた、出身地ならではの記念碑的な個展といえるでしょう。
◆ 中﨑透(なかざき・とおる)
美術家。1976年茨城県水戸市生まれ。同地を拠点に活動。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに自然体でゆるやかな手法を用いて、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど様々な形式で制作を展開している。個人としての活動に加え、2006年にアーティスト・ユニットNadegata Instant Partyを結成、2007年にはオルタナティブ・スペース「遊戯室(中﨑透+遠藤水城)」を設立。「プロジェクトFUKUSHIMA!」では2011年発足当初より主に美術部門のディレクションを担う。
会期 | 2022年11月5日(土)~2023年1月29日(日) |
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会場 | 水戸芸術館 現代美術ギャラリー Google Map |
住所 | 茨城県水戸市五軒町1-6-8 |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 |
月曜日 年末年始 12月27日(火)~2023年1月3日(火) 1月10日(火) ※ただし1月9日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 900円 団体(20名以上)700円 高校生以下/70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
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TEL | 029-227-8111 |
URL | https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5185.html |
「覚えてない!」と「覚えてる」が隣で掛け合っているみたいに、 山と積まれた "引越し跡" の壁向こうでは 3.11 が語られ、そして窓越しには塔が見えて…と、各展示室の中やそれらの直線的な連なりだけでなく、隔てられた作品・語り、(2つ並…readmore
4.0
水戸出身で1976年生まれの美術家・中崎透の個展です。中崎の作品は写真で見たことがあって、それはシャッターの降りた暗い路地に電飾タイプの立て看板が大量に配置されているモノでした。どうやら、看板をアートとして制作しているらしい、というレベルで興味があって水戸に見に行ってきました。
単に看板があるだけではないだろうと、予想はしていたのですが、展示全体の構成は「水戸市界隈に生まれ育ち今もこの地に住む、30代から70代までの男女5名に行ったインタビューをもとに制作されました」とのこと。壁や床にインタビューからのテキストの一部が掲載されていて、その横にインタビュー内容と微妙にズレた感じの絵とか立体物とかが、並んでいく。全体の構成としては、インタビューと作品が年代順に過去から現代へと進んでいく。
インタビューの面白さは、水戸と水戸芸の歴史が分かるところ。「偕楽園は今と違って、樹木なんかも手入れされてないっていうのかな、自然に近いかんじでしたね。」とか、「1986年の8月に台風で那珂川の大水害があってね。水戸はあまり雨が降らなかったけど、上流の栃木でものすごい雨が降って、なすの方から牛なんかも流れてきた」とか。ちなみに那珂川の大水害は、1989年に水戸市制100周年の事業として建てる水戸芸術館の計画に影響がでることになる。さらに、ちなみに水戸芸のシンボルとなるDNAタワーも無用論が出て苦労したらしい。
一方、中崎作品は徐々に具象から抽象へと変わっていくように見えて、面白かった。看板については、注文を受けて、注文内容に合わせて制作するという形式らしく、その契約書も展示していた。まあ注文内容はわりと大雑把でした。その看板も後半は文字のない半透明で色のついた箱に変わり、看板と言うよりは抽象的な立体物になっていくのは面白いところ。
えーと、契約書などの一部を除いて写真撮影&動画撮影がOKでした。
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