4.0
必見のミニチュアセット
本展では「ひつじのショーン」シリーズで用いられたセットがいくつも展示されており、その細部まで繊細に作り込まれたショーンたちの世界を間近で楽しめる。映像では一瞬映るか映らないかというような部分まで丁寧に造形されていてため息が出る。じっくり見ていると、その生活感あふれるリアルさがなんとも魅力的で、思わずこの世界にキャラクターとして入ってしまいたくなった。たぶん、作り手もそれだけ楽しんで創作にあたっているはずだ。ショーンファンのみならず、ミニチュア好きにはたまらない展示ではないだろうか。
美術セットだけでなく、キャラクターのスケッチや映像制作過程や技術的な部分の解説など、撮影の裏側もコンパクトに紹介されている。「ひつじのショーン」の軽快な世界がいかに入念に作り上げられているか知ることができて興味深い。また、深く知ることはできないものの、アードマンの多様な歴代アニメーションも少しだけ紹介されている。そこには、可愛くユーモラスな「ひつじのショーン」や「ウォレスとグルミット」にはない、ちょっと気持ち悪さを感じるようなヴィジュアルも見て取れ、アードマンの歴史をさらに深堀した展覧会も見てみたくなった。