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驚きの明治工藝を見て
東京都上野にある東京藝術大学大学美術館で「驚きの明治工藝」展を見た。
自在置物が半数を占める展示内容でした。最初にあるでかい龍の自在置物が圧巻です。
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江戸時代、徳川幕府による安定した政権のもとで、日本の工芸は技術的に大きな発展を遂げました。
特に金工、漆工の分野では、造形、装飾に写実が意識され、様々な材料を使用し、技巧を尽くした作品が作られました。江戸から明治に時代が移ると、将軍家や大名の後ろ盾を失った工人たちは、明治政府の殖産振興、外国への輸出政策によって、新たな制作の方向を見いだすようになります。江戸時代に培われたその技術は、表現力をよりいっそう高め、外国における博覧会で絶賛されるに至りました。
この展覧会は、そうした明治時代の工芸品を中心に、その基となった江戸時代後期から、明治時代の影響が及んだ昭和初期までの作品によって、その驚くべき表現や技術を紹介します。
そして、題名の「驚き」にはもうひとつ意味があります。それは、この膨大な作品がすべて一人のコレクター、宋培安氏のコレクションであるということです。明や清の技巧的な作品に、より近い距離で接していながら、宋氏はなぜ日本の工芸をこれほど多く集めたのでしょうか? 日本工芸に対する想いや魅力についても、本展では取り上げていきます。
◆ 宋培安コレクションとは
宋培安コレクションは現在台湾における最も大規模な日本工芸のコレクションで、収蔵数は3000点にも及びます。宋培安氏は漢方の薬剤師で、健康薬品の販売や生命科学の講座を開設しています。また、思想家であるカントを研究し、道徳の世界へ導くためにも、美を理解する能力が必要であるという彼の精神を大切にしています。その内容の一部は、2011年に台北で開催された「アジア太平洋伝統芸術節特展」で、初めて一般の人々が知ることとなりました。コレクションには、明治工藝の基となった江戸時代末期の技巧を凝らした作品から、明治時代を中心に昭和初期頃までの、漆工、金工、陶磁、七宝、染織とすべてのジャンルを網羅し、現在の日本ではあまり見ることがないビロード友禅や自在置物などが含まれています。
会期 |
2016年9月7日(水)~2016年10月30日(日)
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会場 | 東京藝術大学大学美術館 Google Map |
住所 | 東京都台東区上野公園12-8 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 (9月19日、10月10日は開館)、10月11日 |
観覧料 | 一般 1,300円(1,100円) 大学・高校生 800円(600円) 中学生以下は無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | http://www.asahi.com/event/odorokimeiji/ |
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東京都上野にある東京藝術大学大学美術館で「驚きの明治工藝」展を見た。
自在置物が半数を占める展示内容でした。最初にあるでかい龍の自在置物が圧巻です。
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明治工藝の匠の業は以前に三井記念美術館で清水三年坂美術館のコレクションで拝見しましたが、その時に拝見した作品とは別の作品が多かった様に思います。それにしても、どの作品も見事なまでに「スゴわざ」で、誰もが自然と「スゴイ」と発してしまう程でした。作品もそうですが、象牙等の材質を知ると更に驚きが増しました。写真撮影ができるというのも、自分なりの撮影コレクションともなり、素敵な配慮ですね。
2.0
撮影可能な展覧会ということもあり、全体的に小さく精巧な作品中心でゆったりとした鑑賞はままならない感じです。会期最後の2日間は同じく藝大内にて漆工芸の展示があるとのこと。併せて是非!
4.0
なかなか実物を見られないビロード友禅ですが、展覧会ではここで初めて見られました。展示替えがあっても各会期とも複数の作品を見られるので、それぞれ見比べられておもしろかったです。
4.0
入り口の龍の展示の仕方はとてもよかったです
ライティングよる影の部分も背景となり思わず写真をとってしまいました
今回はすべてが撮影可能、でも細かい部分は肉眼で近づいてみないと
その驚きの技巧はわかりません
蛇の動画も本物を見るようでした
どの作品もため息がでるくらいの超絶技巧で日本人の技量の高さに誇りがもてました
4.0
すご技の展示物がたくさん並んでいました。自在置物は、「鑑定団」によく出てくるので、名前は知っていましたが、実物を見るのは初めて。手の込んだ作品にびっくりです。入り口につるされて展示されている龍、どくろを巻く蛇、りっぱな伊勢エビなどなど。関節ごとに作られ、組み合わせてあるようです。なぜここまで精密なものをつくったのか。詳しく知りたくなりました。芸術大の美術館は初めて訪れましたが、落ち着いたいい美術館でした。
3.0
最近、ここに書くコメントが辛口になりつつありますが、「驚きの明治工藝」というタイトルの割には、「驚き」が少ない展覧会でした。自在置物は国立博物館の常設展にたくさん並んでいたし、宮川香山はサントリー美術館の「没後100年 宮川香山」で厭になるほど見たし、あまり目新しいものはありませんでした。ただし、NHK「超絶 凄ワザ!」で放送された「明治の超絶技巧を再現せよ!」を見ましたので、 今回は、鍛金家山田宗美の置物に注目して見物しました。何も知らないで見たら鋳型から作った地味な置物と勘違いしますが、これが一枚の鉄板を叩き変形させて作ったものとは驚きです。その技法の詳細は今も謎で、同番組で現代の鍛金家が「兎」の置物の再現を試みていましたが、ことごとく失敗し、その技法の難しさを十分認識しました。この予備知識をもって眺めたので、山田宗美の作品の凄さがわかりました。
その他の工芸家の作品も、実際には驚くような超絶技巧で作られているはずですが、制作手法についての解説がほとんど無いので、それらの真価がわかりません。ただ漫然と作品を羅列するような陳列法ではなく、それぞれの超絶技巧について親切な解説があったら、もっと楽しい展覧会になったかもしれません。
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