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所蔵の香雪本の研究から展開する様々に描かれた「伊勢物語」
香雪美術館所蔵の「伊勢物語図色紙(香雪本)」と写本から描かれた図像を丁寧に研究した内容と
長く描かれてきた「伊勢物語」を物語の流れに沿って展示。
当館所属の学芸員さんが、所蔵の作品を研究した結果を私たちが展覧会という形で拝見することができる機会となっています。
この美術館ならではの、展覧会です。
なので、パネル解説がいつもの様にとてもとても丁寧です。
これまでは、あまりにも丁寧なパネル解説にちょっと読むのが大変と思うこともあったが
今回は、「伊勢物語」ということもあってチャント読んで鑑賞しました。
学芸員さんとは、こーんなとこまでしっかり視て、研究対象としてるんだなぁと思ったりして。
「伊勢物語」と「源氏物語」は、代表的な場面が何度も描き継がれてきており、それほどに人気があったということなのでしょう。
そして、在原業平や光源氏は、いやぁー人間として?恋愛対象の人としても、それはアカンでしょうと思ってしないますが
それはそれで惹かれてしまうほどの人物だったのか?恋愛にたいしてとても寛大な世だったのか?と思ったりします。
決して大きな作品たちではなく、「引目鉤鼻」で描かれた一見表情がないような顔にも、
手のしぐさや傾げる顔にもその気持ちがこもり、愛らしく感じてしまう。
単眼鏡がなければ、なかなかよく見えないのでないかの世界です。
この展覧会を観ると図書館で「伊勢物語」の本を捜したくなる展覧会でした。
この手の展覧会へ出かけるといつも思ってしまう、久保惣さんってええもん持ってはるなぁと。
アクセスが問題もあって、いまだに出かけられていない。感染者が増えると感染者が多い大阪はまた出かけにくくなるなぁ。
特別公開となっている「源氏物語絵巻(盛安本)」は驚きでした。これを見るだけでも行く価値ありではないかしら。