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個人蔵の初期作品が見どころか。
河井寬次郎作品は、関西では目にする機会がとても多い。
庭には登り窯が残り、作陶しながら暮らした旧住居が記念館「河井寬次郎記念館」となって趣ある場となっているし、
京都国立近代美術館には「川勝コレクション」という初期から晩年まで辿れる充実したコレクションがあり
つい2019年にも展覧会が開催されたばかりです。
もう一つはアサヒビール大山崎山荘美術館、民藝のコレクションとして伺うたびに目にすることができます。
本展覧会では、小林一三の逸翁美術館も含め、第3章でこれらを河井を支えた人物として紹介されています。
民藝を代表する一人として活躍する以前の河井の作品が第1章Ⅰ節に展示されており、ほぼ個人蔵です。
初期の作品には様々なやきものを研究する河井が見えてくるようでした。
しかし、なぜ今河井寛次郎なんだろうとも思いましたが、
この中之島香雪美術館を開館する際に、兵庫陶芸美術館からも学芸員さんがこちらへ移られた方がいらしてその方の研究成果なのかもしれません。
第2章で、河井が民藝の柳宗悦と丹波の立杭焼から福岡までのやきものを見て回わり
『工藝』に紹介していました。丹波の立杭の釉薬のかけかたを河井がまねたものがあり、
立杭の陶芸家さんの下でその再現なさったことを紹介したかったこともあったのではないかと思いました。
そういえば、「民藝」の作品には、薄いやきものがあまりなく、どれもどっしりしているように改めに感じた次第です。
手にのせた感じが、ずっしりと重そうですね。
「用の美」として、薄っぺらなすぐ割れてしまいそうなものは、作らなかったのでしょうか。
それにしても毎回のことながらキャプション、パネルと説明過多に感じます。
作品リストに解説を載せるか、週一担当学芸員さんの解説会を開かれてはどうでしょうか。