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茶道具の好みも時代を反映している?
桃山期に「侘び茶」を完成した利休が最終的に求めた茶道具と利休亡き後大胆な造形の茶道具を創造させた古田織部、それぞれの美意識には戦国時代や慶長期が反映しているのではないか?と思ってしまうのです。利休、織部ともに仕えたはずの秀吉、徳川から死を賜ることとなる。その後を引き継いだ小堀遠州には「きれいさび」という言葉があり、寛永文化を反映したものではないでしょうか。「端正で洗練された造形」の茶道具。その遠州に憧れた出雲松江藩主松平不昧。展示されている茶道具はすべて村山コレクションであることにも驚きます。茶の湯に傾倒した近代数寄者の一端をみる思いがしました。
大阪はコロナの感染者がどんどん増えて道中が不安でしたが、中之島香雪美術館はビジネス街のビルの中にあり、まさに「市中の山居」週末の雨降りの日に出かけて正解でした。