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人間味溢れる日本の原風景を見る
白黒写真の中は、人と人が今よりずっと濃く関わっていた頃の生活が有ります。現代では失われた貧しくても豊かな人間関係が写し出されています。
日本の原風景ですね。作品をもっと見たい。
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北井一夫(きたいかずお 1944-)は戦後日本を代表する写真家です。人の生活にテーマを置き、時代を的確にとらえた作品は国内外で高く評価され、現在も国際的に注目を集めています。
写真家・北井一夫の〈村へ〉は『アサヒカメラ』1974年1月号から1975年12月号まで、全24回にわたって連載された作品です。1970年代、日本の意識が急速に都市へと集中していった時代、それと逆行するように「村」という対象を選び、「稲刈りのあと」「湯治場」「雪の中で」「田舎道」「お盆」など、何でもない日常を写した新しい視点は大きな話題を呼びました。この連載が評価され、北井は第1回木村伊兵衛写真賞を受賞。その続編となる〈そして村へ〉は、同誌1976年1月号から1977年6月号まで連載されました。1976年には同誌10月増刊として写真集『村へ』が、また1980年には一連のシリーズを再編集した写真集『村へ』(淡交社)が発表されました。同作は、その後も編集を変えながら写真集や写真展で繰り返し発表され、現在まで途切れることなく注目されてきた稀有な作品です。
北井は1964年、横須賀基地の原子力潜水艦寄港阻止のデモを撮影した写真集『抵抗』(未來社、1965年)を自費出版し、これを写真家の出発点として活動を始めました。その後も過激派の学生運動の渦中で写真を撮り『アサヒグラフ』などで活躍。しかし北井の興味は、やがて闘争そのものから、活動する人々の日常へと移行していきます。1969年、成田空港建設に反対する三里塚の農民を取材した写真集『三里塚』(のら社、1971年)では、農民と同じ立場に立ち、日常をとらえた視点と表現が評価され、日本写真協会新人賞を受賞。北井はこの時の取材で、被写体となる人々に寄り添い、その生活を撮るという独自の撮影姿勢とテーマを見出しました。写真家の温かい眼差しはその後の作品にも一貫し、〈村へ〉でも崩壊直前の農村のありふれた光景が静かに、丹念にとらえられています。
本展は、第1回木村伊兵衛写真賞受賞作である写真家・北井一夫の時代を超えた名作〈村へ〉と、その続編〈そして村へ〉の一連の作品群から、約30点を精選し、貴重なヴィンテージプリント※で展示いたします。撮影当時、時代の意識と真逆にあった「村」という対象は、時を経て、その時代を象徴するものとなり、何気ない日常の光景は、より一層、記録ということの重みを感じさせるものとなりました。
デジタル写真やSNSが社会に浸透し、写真の撮り方や見方、表現の仕方が大きく変わった現在、約半世紀の時を経たヴィンテージプリントは、記録するという写真の原点、写真家の視点を表現するという写真の本質を、さらに強く訴えかけてくることでしょう。
人と出会い、時代を記録してきた写真家・北井一夫の名作をどうぞご堪能ください。
※ヴィンテージプリント…撮影から数年以内に本人によって制作され、それから相当の年月を経た、貴重で美的価値の高いプリントのこと。写真家の撮影当時の思想を最もよく反映するものとしても重要視される。
会期 |
2021年4月1日(木)~2021年6月30日(水)
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会場 | FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) Google Map |
住所 | 東京都港区赤坂9-7-3 |
時間 |
10:00~19:00
(最終入場時間 18:50)
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休館日 |
会期中無休 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 03-6271-3350 |
URL | http://fujifilmsquare.jp/ |
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白黒写真の中は、人と人が今よりずっと濃く関わっていた頃の生活が有ります。現代では失われた貧しくても豊かな人間関係が写し出されています。
日本の原風景ですね。作品をもっと見たい。
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日本の古き良き時代を切り取られていて、その時代に生きていなかったものの、懐かしさを感じました。今よりも生活水準は豊かではないのかも知れませんが、精神的には豊かな時代だったと思わされました。
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