5.0
奈良博尽くし。
出品作品全体の半数近くが国宝・重文という、出し惜しみ無しの奈良博コレクションにどっぷり浸かれます。
やはり奈良博ということで仏教関連のコレクションが中心です。中でも今回興味深かったのは第4章の密教の聖教とみほとけの展示で、四天王寺内の蓮華蔵院の本尊だったという如意輪観音菩薩坐像に特に心を奪われました。シルエットや表情が美しく、広範囲に残る截金もとても素晴らしかったです。一方、その隣に展示されていたミニチュア五大明王像は家に飾りたくなるかわいらしさでした。また、最澄が弟子の泰範に宛てた書状の実物が見られたのも感動でした。
他に少し意外だったところでは、奈良博の収蔵品で土偶や埴輪は少ない印象があるので、それらを見られたのも良かったです。
この展覧会に合わせて今回、奈良博の収蔵品がモチーフの5匹組が「ざんまいず」として公式キャラクターデビューすることになったようです。東博のトーハクくん&ユリノキちゃんや京博のトラりんのように今後の活躍を期待したいです。