4.0
奇想天外な展示
2階と3階を使った展示だが、まず、3階からみろと言う。
3階は、おどろおどろしい雰囲気の中、執拗に、今日世界は死んだ。というフレーズが繰り返される。それぞれ、世界が死んだ理由は異なり、文面は杉本が考えるのだろうが、注文すべきは、その文字を肉筆で有名人に代筆させている事。
2階は、世界劇場と、三十三原堂を映した写真とビデオだけだが、ビデオに、杉本が古代の霊性の世界を現代に甦らせようとしていると知る。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 300 の美術館・博物館と 847 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
杉本博司は東京都写真美術館の重点収集作家であり、〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉などの大型カメラを用いた精緻な写真表現や、〈フォトジェニック・ドローイング〉〈放電場〉など、写真の発明や科学研究に基づいた写真作品で写真界のみならず、現代美術やデザイン界等で多大な影響を与え、近年では歴史をテーマにした論考に基づく展覧会や、国内外の建築作品を手がけるなど、多岐に渡る活動で注目をあつめています。
本展覧会では<ロスト・ヒューマン><廃墟劇場><仏の海>の3シリーズを美術館内2フロアで展示し、作家の世界観、歴史観に迫ります。
2014年パレ・ド・トーキョー(パリ)で発表し、好評を博した「Lost Human Genetic Archive」展のインスタレーションを、東京ヴァージョンとして新たに制作します。人類の死滅を想定し、遺物となった歴史、文明についての考察を≪比較宗教学者≫≪宇宙物理学者≫等、33の視点から展開するものです。
そして、本展覧会で世界初公開となる<廃墟劇場>を発表します。これは1970年代から制作している<劇場>が発展した新シリーズです。経済のダメージ、映画鑑賞環境の激変などから廃墟と化した実際の劇場で作家自らスクリーンを張り直して映画を投影し、作品一本分の光量で露光した作品です。大型カメラと精度の高いプリント技術によって、朽ち果てていく劇場の華やかな装飾の隅々までが目前に迫り、密度の高い静謐な時が感じられます。
写真は時間と光による記録物であるということを改めて気づかせてくれるこれらの作品によって、私たちの意識は人類や文明の尺度による時間を超え、歴史という概念そのものへの考察へと導かれるでしょう。歴史観への考察は、シリーズ<仏の海>でさらなる深みへ、浄土の世界へと到達します。
今回は、10年以上にわたり作家が取り組んできた、京都 蓮華王院本堂(通称、三十三間堂)の千手観音を撮影した<仏の海>の大判作品による新インスタレーションが紹介されます。古来、人類が共通して持つ「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」という危惧について、杉本博司の最新作と共に再考する貴重な機会です。
会期 | 2016年9月3日(土)~2016年11月13日(日) |
---|---|
会場 | 東京都写真美術館 Google Map |
住所 | 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日 (ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館) |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 学生 800円(640円) 中高生・65歳以上 700円(560円) |
TEL | 03-3280-0099 |
URL | https://topmuseum.jp/ |
4.0
2階と3階を使った展示だが、まず、3階からみろと言う。
3階は、おどろおどろしい雰囲気の中、執拗に、今日世界は死んだ。というフレーズが繰り返される。それぞれ、世界が死んだ理由は異なり、文面は杉本が考えるのだろうが、注文すべきは、その文字を肉筆で有名人に代筆させている事。
2階は、世界劇場と、三十三原堂を映した写真とビデオだけだが、ビデオに、杉本が古代の霊性の世界を現代に甦らせようとしていると知る。
4.0
東京都写真美術館のリニューアル展ということで気合の入った展示です。杉本博司さんの大回顧展を期待した方は肩透かしな感もありますが、杉本さんのキュレーターとしての才能を堪能しました。
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
東京都目黒区で開催中の展覧会