5.0
天才の多才
ミケランジェロといえばダヴィデなどの彫刻やシスティーナの天井画に代表される絵画しか知識がなかったのですが、建築の業績も数々残していたのですね
精巧な図面や事細かなサイズの指示に職人の一面を見ました
あといままであまり目にしたことのなかった素描がたくさんありました
会場の説明にミケランジェロ自身が大半を破棄したとあり、残っているものはとても貴重なものだと知りました
日本とのつながりの展示もおもしろかったです
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イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564)は、彫刻、絵画、建築という視覚芸術の3つの領域にいおいて、他の追随をゆるさぬ卓越した人体表現と深い精神性を示しました。人々は彼を「神のごときミケランジェロ」と称えました。
《ダヴィデ》(1504-1504年、アカデミア美術館蔵)や《ピエタ》(1498-1500年、サン・ピエトロ大聖堂蔵)に代表されるような、石の塊のなかから掘り出された完璧なまでの造形、そしてヴァチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂に描いた史上最大の天井画(1508-1512年)はまさに超人技といえましょう。
才能がゆえに権力に翻弄され、その波乱に満ちた長い芸術的人生の活躍の舞台となったのは、フィレンツェとローマでした。そこには、彼が手がけた建築が今も都市の景観を作っています。
ミケランジェロの才能を育んだフィレンツェでは、サン・ロレンツォ聖堂新聖室や、サン・ロレンツォ聖堂付属ラウレンツィアーナ図書館、そして1534年以降に移り住んだローマでは、カンピドーリオ広場やサン・ピエトロ大聖堂の設計のような都市の規模へと作品を拡大していきました。
それらの建築作品には、同時代の人々を驚嘆させた、新しい装飾の表現形式や、彫刻と建築が一体となった独特な空間の取り扱いが不滅の輝きを放っています。
本展は、ミケランジェロの子孫が受け継いだ邸宅と関係資料を公開するフィレンツェのカーサ・ブオナローティが所蔵する作品を中心に、ミケランジェロ本人による真筆の素描および書簡35点を含めた作品およそ70点を展観します。
加えて建築模型や写真、映像も用いて、ミケランジェロの建築に光があてられます。
特別コーナーでは、20世紀日本を代表する建築家たちが、この巨匠に寄せた畏敬の念を、自らの作品のなかでどのように展開したかが紹介されます。
会期 | 2016年6月25日(土)~2016年8月28日(日) |
---|---|
会場 |
パナソニック汐留美術館
![]() |
住所 | 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
水曜日 夏期休館(8月12日~8月18日) |
観覧料 | 一般 1000円 65歳以上 900円 大学生 700円 中・高校生 500円 小学生以下 無料
|
TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL | https://panasonic.co.jp/ew/museum/ |
割引券 | https://panasonic.co.jp/ew/museum/discount/ |
5.0
ミケランジェロといえばダヴィデなどの彫刻やシスティーナの天井画に代表される絵画しか知識がなかったのですが、建築の業績も数々残していたのですね
精巧な図面や事細かなサイズの指示に職人の一面を見ました
あといままであまり目にしたことのなかった素描がたくさんありました
会場の説明にミケランジェロ自身が大半を破棄したとあり、残っているものはとても貴重なものだと知りました
日本とのつながりの展示もおもしろかったです
4.0
ミケランジェロと言えば、彫刻及び絵画の巨匠と思っていましたが、本展覧会で彼が第3の分野、建築家としても活躍したことを知りました。
彼の最大ライバルであるレオナルド・ダ・ヴィンチは、「万能人」 と呼ばれ、絵画・彫刻・建築・音楽・自然科学、その他多岐の分野に携わったとのことですが、実際は絵画以外はアイデアや構想に終わり、彫刻も建築も実際に完成したものはなかったようです。
これに対し、ミケランジェロは、確かに建築分野でも足跡を残しており、サン・ロレンツォ聖堂の新聖具室や附属のラウレンツィアーナ図書館、ローマのカンピドリオ広場やサン・ピエトロ大聖堂ドームの設計の仕事に携わったことがわかります。
ただし、展覧会の副題の「ルネサンス建設の至宝」という表現はあまりにも誇大ではないでしょうか。彼が携わったのは建築物の一部の設計であり、「至宝」というほどの素晴らしい建築物かどうかは疑問です。
展示物も設計段階の素描が実物の写真と共に並べられている程度で、注目すべきものはありません。ただし、彼がダ・ヴィンチとは異なり建築の分野でも実際に活躍したのだという証拠提示と思えば満足して見られます。
この展覧会では「建築的業績の紹介」のほかに、あの有名なシスティーナ礼拝堂の祭壇画「最後の審判」の真筆素描群が実物の写真と共に展示されています。個人的には、こちらの方に興味を惹かれました。
いずれにしても、ミケランジェロの建築的業績を本格的に紹介する展覧会は日本で初めてとのことですので、一見の価値はあると思います。
4.0
画家でもなく、彫刻家でもない、ミケランジェロの建築の仕事にスポットライトをあてて新鮮。ひとりの人間の成し遂げた仕事の量と質を目の当たりにして感服。
映像や模型を織り交ぜた立体的な展示が理解を助けます。
偉大な芸術家の新しい一面がぐぐっと前にせり出してきます。
4.0
かなり混み合っているかと思ったら、土曜日なのに空いており、ゆっくり鑑賞できた。実際に書いたデッサンが多数あり、細かい描写と妥協をしない芸術家のデッサンを多数みることができた。ミュージアムの中はかなり涼しかったので1枚羽織る物があるとよいですよ。
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エティエンヌ・デュペラク《ミケランジェロ設計のサン・ピエトロ大聖堂の立面図》、カーサ・ブオナローティ蔵 ©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
ミケランジェロ・ブオナローティ、サン・ロレンツォ聖堂新聖具室、フィレンツェ、1520-1534 年
ミケランジェロ・ブオナローティ《ヌムール公ジュリアーノ・デ・メディチの墓碑》、サン・ロレンツォ聖堂新聖具室、1520-1534 年 ©Associazione Culturale Metamorfosi
ミケランジェロ・ブオナローティ《システィーナ礼拝堂天井画〈クマエの巫女〉のための頭部習作》1508-1510 年、トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale
ミケランジェロ・ブオナローティ《ラウレンツィアーナ図書館、閲覧室から玄関室への扉口案》、1526 年頃、カーサ・ブオナローティ蔵 ©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
マルチェッロ・ヴェヌスティに帰属《ミケランジェロの肖像》1535 年以降、カーサ・ブオナローティ蔵 ©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
ミケランジェロ・ブオナローティ《背を向けてひざまずく男性裸体像習作》1540 年頃、カーサ・ブオナローティ蔵 ©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti
ミケランジェロ・ブオナローティ、ラウレンツィアーナ図書館玄関室の階段、フィレンツェ、1524-1559 年 ©Associazione Culturale Metamorfosi
ミケランジェロ・ブオナローティ、サン・ピエトロ大聖堂ドーム、ヴァチカン市国、1546-1564 年 ©Associazione Culturale Metamorfosi