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秋の京都、鹿ケ谷でもこんなに落ち着いた雰囲気で楽しむ花鳥画
泉屋さんは、鹿ケ谷にあり、すぐ近くに紅葉の永観堂や哲学の道にも近い。しかしこの敷地に入れば、外の喧騒を忘れてしまい、ゆっくりしてしまうのです。花鳥画は、描いた絵師や時代順でなく、四季の季節の移ろいそのままに展開していきます。江戸時代の人々の花鳥に寄せる思いが伝わります。ちょうど京都国立近代美術館では応挙から始まる円山・四条派の流れを辿る展覧会が開かれていますが、京都画壇でも花鳥画は主要なモチーフとなりかの展覧会とも呼応しています。また、同時代の江戸の絵師、特に江戸の狩野派はどのような花鳥画を描いていたのかをも知る手掛かりともなりました。そうなんです、瀟洒端麗な花鳥画でした。この時代の上方に大きな影響を及ぼした南蘋派の描く吉祥に関連づけた写実的な花鳥画も興味深く拝見しました。こちらの美術館は京博で開催中の「佐竹本三十六歌仙絵」を100年ずっとご所蔵され続けた住友コレクションの美術館で、住友と言えばの青銅器のとんでもないコレクションのチェックもお忘れなく。無料のお茶を頂きながらお庭を眺めてゆっくりさせていて頂きました。