4.0
フェルメール以外の画家もよかった
いや、実に良かったです。
これ!と言う画家は見つかりませんでしたが、皆気になる画家さんばかり。
ピーテル・サーンレダムの『ユトレヒトの聖母子教会の再西端』なんか、エッシャーを彷彿させる幾何学的な構図美と静謐さ、想像力をかき立てられるストーリー性を秘めていて、モロ私好み。
ヘンドリック・テル・ブリュッヘンの『東方三博士(マギ)の礼拝』は幼子イエスを美化せず、リアルに書いており、後光も無く、むしろ嬰児特有の不気味さを感じるほど。
他にも、ウサギの毛並み、老人の皮膚、魚のぬめり感など見事に表現された画家達の素晴らしい絵の数々。フェルメールが来ていなくても十分堪能できる美術展です。
そしていよいよ、フェルメールとのご対面。
大阪展にご来場戴いたフェルメールは6点。中でも『取り持ち女』はドレスデンのアルテ・マイスター絵画館門外不出と言われた作品。日本でしかも大阪で観られるのは奇跡に近い。
フェルメールらしからぬ作品で、フェルメールが自身の作風を確立する上で「研究と模索」を試している時期の作品では無いかという説も。
また、サインと製作年が書かれている数少ない作品で、左側のこちらを見ている男性はフェルメール自身では無いか。。とも言われています。
他にも、幾たびかの盗難に遭った『恋文』、同じく誘拐された『手紙を書く婦人と召使い』など。
流石はフェルメール。ダリが「自分の右腕と引き換えても、彼が描いている所を観てみたい」とかたり、最高の画家と称しているだけの事はあります。
欲を言えば、東京展でしか観ること出来なかった『牛乳を注ぐ女』や『紳士とワインを飲む女』
とかも観たかったなー。特に『牛乳を注ぐ女』。だって今回の作品はフェルメールブルーがほとんど無いんだもの。
そう思うと、5年前に神戸に来た『真珠の耳飾りの女』も観ておけば良かった・・
これからはフェルメールも要チェックだな。心の中で好きな画家にランクアップされました。