4.0
丸く本当に可愛らしい。だけじゃなく豪華さも。
お雛様と言えば毎年の三井記念美術館「三井家のお雛様」と目黒雅叙園「百段階段の雛まつり」でしたが、今年は桐村喜世美氏所蔵品受贈記念という「岩崎家のお雛様」が見逃せません。と言って最終日にやっと行けました。前日にはロビーコンサートもあったとか。好天で、桜がちらほらと咲き始める中、流石に最終日、ずいぶん沢山の皆さまがお出かけでした。多摩川を見下ろす崖地となったこの辺りは、眺望がよく緑に恵まれたために、戦前まで、華族や政財界人たちの邸宅や別邸が数多く建てられていたのですよね。その一つのココ静嘉堂文庫、快晴の昨日も富士山がきれい見えていました。
岩崎家のお雛様たち、みなぶっくらと丸く可愛らしいお顔に、やわらかな表情。それも持ち物やしぐさに合わせ細かく表現されています。後姿を見ればまた凝っていて、かもしもぷくぷくと豊かな感じで、余り他ではない感じです。説明もわかりやすかったです。桃山とか江戸期とかの様に古いものではないので、とてもきれいです。でも昭和初期のお雛様なんて、岩崎家でなければこんなに豪華で素晴らしいものはないでしょう。戦禍にも、よくまあご無事で…と思いました。女雛の冠には本物のサンゴ、男雛の借は本物の象牙。衣装も小物も、織りや刺繍、漆器お道具類など、とことん本物志向で本当に素晴らしく、ため息ものです。
更にとても良かったのが、小彌太の還暦祝いに夫人から贈られた「木彫彩色御所人形」です。えっ!!なになにこれ!! ウサギの冠を付けた60体ほどの隊列で、ウサギやタイなどの山車を曳きつつ、扇を持って舞ったり、餅をついたり、愛らしい表情と動作の面白さで、もう目が釘付けです。
本当に素晴らしかったです。こちら静嘉堂文庫さんは、ちょっと足の便が悪く、(昔は二子玉から歩いたのですが、東急コーチバスに乗りました) そんなこともあって、残念ながら来訪が最終日になってしまいました。観覧料もお安いですし、見ていらっしゃらない方にはぜひお勧めしたかったのですができなくてごめんなさい。