5.0
守られた黄金。すばらしい!
アフガニスタンにこのような素晴らしい古代文化が花開いていたことは初めて知りました。輝く黄金の宝の数々は、高い技術と豊かな財力を想像させられます。金は、2千年を経過しても、美しく輝くのですね。今回秘宝が展示されている表慶館は、白く優雅な建築です。こちらもあわせて、鑑賞してきました。
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アフガニスタンは古くから「文明の十字路」といわれるように、さまざまな地域から人々が集まり、多彩な文化が華開いた地域です。そこでの人々の営みは、悠久の歴史が刻まれた数々の遺跡や遺物が雄弁に物語っています。
本展覧会では、紀元前2100年頃から紀元後2世紀頃までに古代のアフガニスタンで栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝によってご紹介します。なかでもアフガニスタン北部のティリヤ・テペから出土した煌びやかな黄金製品の数々は日本初公開で、その輝きは多くの人々を魅了することでしょう。
これらの名宝は、首都カブールにあるアフガニスタン国立博物館に所蔵されていました。しかし、1979年のソ連の軍事介入とそれに続く内戦などにより、博物館は甚大な被害を受け、その収蔵品の多くは永遠に失われてしまったと考えられてきました。
しかし、国の宝を守ろうとした勇気ある博物館員は、とりわけ貴重な文化財を秘密裏に運び出していたのです。そして内戦終結後、2004年4月、秘宝を大切に保管していた金庫の扉が再び開かれました。
館員たちは、再開を期してアフガニスタン国立博物館入口に掲げられたメッセージ「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる("A nation stays alive when its culture stays alive.")」の通り、まさに国を存続させるために命がけで自分たちの文化財を守りぬいたのです。
本展覧会はこれらの秘宝の再発見を機に、アフガニスタンの文化遺産の復興を支援するために企画された国際巡回展です。2006年のフランスのギメ国立東洋美術館での開催以来、アメリカのナショナル・ギャラリーやメトロポリタン美術館、イギリスの大英博物館など、世界10カ国を巡回し、すでに170万人以上が来場しています。
日本での展覧会では、この奇跡的に守られた古代アフガニスタンの至宝231件に加え、日本で「文化財難民」として保護されてきた流出文化財15件を合わせてご紹介します。なお、この15件を含むアフガニスタンからの流出文化財102件は、この展覧会終了後、アフガニスタンに返還されます。
数々のドラマをくぐり抜け今日に伝わるシルクロードの秘宝は、新たなアフガニスタンのイメージをあなたの胸に強烈に焼き付けることでしょう。
会期 | 2016年4月12日(火)~2016年6月19日(日) |
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会場 | 東京国立博物館 Google Map |
展示室 | 東京国立博物館 表慶館 |
住所 | 東京都台東区上野公園13-9 |
時間 |
9:30~17:00
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休館日 |
月曜日 ※ただし5月2日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 1,400円(1200円/1100円) 大学生 1,000円(800円/700円) 高校生 600円(400円/300円) 中学生以下無料
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TEL | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
URL | http://www.gold-afghan.jp/ |
5.0
アフガニスタンにこのような素晴らしい古代文化が花開いていたことは初めて知りました。輝く黄金の宝の数々は、高い技術と豊かな財力を想像させられます。金は、2千年を経過しても、美しく輝くのですね。今回秘宝が展示されている表慶館は、白く優雅な建築です。こちらもあわせて、鑑賞してきました。
5.0
金の永遠の輝きを目の当たりにしました
二千年も前の技術の高さにも驚かされました
それとともに人類の歴史や宝をいとも簡単に爆破してしまう戦争に怒りを感じました
でも学芸員の皆さんが命がけで守られたことにより今こうして我々が目にできることに感謝です
今回芸大の壁画再現も大変貴重でした
上映されていたバーミヤンの映像に癒されました
本当の平和がおとずれることを祈っています
4.0
「文明の十字路」という語句は学生時代の試験勉強で覚えた記憶があります。その言葉は、私の意識の中ではずっと、戦乱と荒廃にあえぐ現代の「アフガニスタン」と結びついていませんでした。
しかし、本展に出品された幾多の国宝級文化財が、そんな同国のイメージを一気に払拭してくれました。精緻を極めた純金製の牡羊像、トルコ石や金をふんだんに施した襟飾り、セクシー過ぎる(笑)後宮女性たちが彫り込まれた装飾板、等々・・・・いずれも文字どおり「シルクロードの秘宝」と呼ぶに相応しい優美な名品。これらを目の当たりにして、かの地に紀元前から紀元1世紀にかけて栄えた豊饒な文化・文明が、リアルに心に迫ってきたのです。これは全く予想外でした。
また、それらの至宝が1970年代末から今なお続く同国の紛争をかいくぐり、こうして日本で見られる幸福を、改めて噛みしめました。
なお、この特別展とは関係ありませんが、同会場の本館常設展で5月中旬まで久隅守景作「賀茂競馬・宇治茶摘図屏風」が展示中だとふと思い出し、立ち寄ってみました。閉館間際の短い時間でしたが、この見事な屏風を、いわば“貸切状態”で見られ、これまた最高に贅沢なひとときでした。
5.0
以前、NHKのBSで「ルーブル美術館を救った男」という番組を視聴しました。第二次世界大戦の開戦前、ルーブル美術館から「モナ・リザ」など国宝級の美術品を秘かに運び出し、ナチスの占領下、これらを守りぬいた人々の物語です。
今回、同じようなドラマがアフガニスタンで繰り返されていたことを初めて知りました。
旧ソ連による軍事介入とそれに続く内戦で、多くが失わたと思われていたアフガニスタン国立博物館の貴重な文化財が、勇敢な職員たちにより秘かに移され、14年もの間、守り続けられていたとのことです。 本展覧会には守りぬかれた秘宝のうちの231件と、平山郁夫氏らにより保護・保管されたアフガニスタンからの流出文化財15件が出品されていました。
展示された時代の異なる4つの遺跡からの発掘物のうち、「黄金のアフガニスタン」のタイトルに最もふさわしいのはティリヤ・テペ遺跡からの出土品でしょう。墓に副葬されていた金の装身具の量と個々の細工の精密さには驚くばかりです。
その他、見所満載ですが個々の秘宝の素晴らしさは実物を見てもらうしかないので、蛇足的な感想を2点述べます。
①ガンダーラ遺跡の印象から、アフガニスタンは仏教の影響を強く受けていたと思い込んでいましたが、今回の展示物を見る限り、ギリシャ文明の影響の方が圧倒的に強いようです。アレキサンダー大王の偉大さを実感しました。
②古色蒼然とした表慶館の雰囲気が今回の展示物に見事に調和しています。この種の展覧会はピカピカの近代建築で開催しても面白くありません。
なお、ついでに東京藝術大学美術館の陳列館で開催中の「素心 バーミヤン大仏天井壁画」も見てきましたが、これもお薦めです。
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