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目で涼む展覧会
兎に角、暑いこの夏、涼むにはうってつけの展覧会でした。竹内栖鳳で水に浮かぶ蛙の気分になり、小林古径で素足で清流の冷たさを感じ、川端龍子で荒ぶる波に飲み込まれ、千住博で滝の水しぶきを浴びました。夕刻近く、気が付くと“滝の間”には私ひとり。背後には那智の滝で、ミストに包まれた気分でした(もちろんエアコンもよく効いていましたけど)。
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2018年9月、世界各国の水の専門家が参加する「国際水協会(IWA)世界会議」が東京で行われます。水をテーマにした国際会議が催され、世界の水環境への関心がますます高まる今夏、山種美術館では、日本美術に表された水に注目し、水を描いた絵画を一堂にご覧いただく展覧会を開催します。
豊かな水源に恵まれた日本では、水は常に人々の生活とともにあり、美術作品においてもさまざまに表現されてきました。
雨が池や湖をつくり、川となり海へ注ぐように、水は刻々と姿を変化させます。また、躍動する波や、光を反射する水面など、水が見せる表情は多くの画家の創作意欲をかきたてたのでしょう。水を描いた絵画には、画家たちの優れた技巧や多彩な表現をみることができます。
本展では、山種美術館が所蔵する江戸時代の浮世絵から近代・現代の日本画まで、水が描かれた作品を厳選し、紹介します。
奥入瀬渓流に取材した奥田元宋(おくだげんそう)《奥入瀬(秋)》、鳴門海峡の渦潮を描いた川端龍子(かわばたりゅうし)《鳴門》や奥村土牛(おくむらとぎゅう)《鳴門》は、川や海の流動する姿を生き生きと捉えています。
また、土牛《那智》や千住博(せんじゅひろし)《ウォーターフォール》においては、勢いよく流れ落ちる滝が迫力ある大画面に描かれ、水の持つ神聖さも感じさせます。
一方で、激しい夕立のなか、橋を行き交う人々を描いた歌川広重(うたがわひろしげ)(初代)《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》[後期展示]や、雨に煙る山路を表した川合玉堂(かわいぎょくどう)《渓雨紅樹(けいうこうじゅ)》は、情趣豊かに雨の風景を描き出しています。
これらの作品を通して、水の表現の幅広さとともに、画家たちが水に向けてきたまなざしや思いを感じていただければ幸いです。暑い夏の季節に、涼やかな水の絵画をお楽しみください。
※作品はいずれも山種美術館蔵
会期 |
2018年7月14日(土)~2018年9月6日(木)
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会場 |
山種美術館
![]() |
住所 | 東京都渋谷区広尾3-12-36 |
時間 |
10:00~17:00
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休館日 |
月曜日 7月17日(火) ※ただし、7月16日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 大高生800円(700円) 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | http://www.yamatane-museum.jp/exh/2018/mizu.html |
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兎に角、暑いこの夏、涼むにはうってつけの展覧会でした。竹内栖鳳で水に浮かぶ蛙の気分になり、小林古径で素足で清流の冷たさを感じ、川端龍子で荒ぶる波に飲み込まれ、千住博で滝の水しぶきを浴びました。夕刻近く、気が付くと“滝の間”には私ひとり。背後には那智の滝で、ミストに包まれた気分でした(もちろんエアコンもよく効いていましたけど)。
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小堀鞆音、奥村土牛、玉堂、龍子、松岡映丘の超有名な代表作展示中ですが、それ以外でも、今回展示の小品は凄く見応えありです(栖鳳、山本春挙、前田青邨作品)。いつも混んでる印象の山種美術館、作品ゆっくり堪能するには平日の閉館間際がおすすめです。
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夏場の美術展は、会場内は涼しくて良いのですが、行き帰りが…なかなか厳しく、山種さんの様に駅から距離も高低差もある場合は尚更です。特に今年の様な酷暑のさ中では、流石に歩けません。高校大学時代によく使っていて、当時は「学バス」と言われていた懐かしいバスに乗ることにしました。恵比寿からならすぐ目の前で降りられてお勧めです。帰りは歩くのもよし、少し先の交差点で渋谷行きに乗られてもいいと思います。バスに乗ったので、楽しみの季節の和菓子は見るだけにしました。
夏には幽霊系の美術展がよくあります。でも今年は「ココ」で涼をとりましょう!! なんでも東京で9月に「水」をテーマにした国際会議があるとか…。それで山種さんが考えた企画だそうです。なるほど言われてみれば、海に囲まれた島国で、豊かな水源にも恵まれ、また湿潤な気候などからも、日本では水は常に人々の生活と共にあり、よって美術作品に於いても(文学や音楽でもそうですね)「水」が様々に表現されてきたことを、あらためて認識させられました。そんな日本美術の、名だたる近現代名手たちが表現した、海・波・渓流・滝・雨・霧・池湖などなど「水」にまつわる作品50余点を一堂に集めた本展。その本当に様々な表現を、とことん楽しませてくれました。
行く前に、展示作品名などはチェックしませんでした。それで勝手に自分なりの「水」といえばの名品を思い浮かべて期待していました。菱田春草《水鏡》・下村観山《春雨》・東山魁夷《緑潤う》《青響》・福田平八郎《漣》《雨》・横山大観《紅葉》《雨霽る》・川端龍子《愛染》《鳴門》・奥村土牛《鳴門》・川合玉堂《渓流釣魚》《行く春》《暮春の雨》《春雨》・不染鉄《海》・松岡映丘《伊香保の沼》・東山魁夷横山大観と菱田春草の合作《飛泉》・田淵俊夫も湿潤な作品が多いけどうーん。もっともっと好きな作品有った筈、などと思考しながら入館しました。最初に見たのが、宮廻正明《水花火(同じタイトルで何作かあったような…)》に感動しました。そう、これ確かに見たことあるし面白い!と思った…と。加山又造《波濤》奥田元宋《奥入瀬(秋)》とかも忘れていました。このページトップに写真があるのに、軽井沢まで見に行った千住博ウオーターホールのことはすっかり忘れていました。川端龍子の《鳴門》は本当に何度見ても怒迫力で良いです。福田平八郎は私の… Read More
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日本画の水流の描き方の美しさが秀逸な作品がたくさんです。
近代の作家さんの独創的な描き方とかも楽しく見てきました。龍子さんの屏風の撮影が今回OKとなっていたので、壮大な作品を
無事に写真に収めてこれて満足です。
夏の暑い時期、こちらの作品たちで涼を!!
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千住博 《ウォーターフォール》 1995(平成7)年 紙本・彩色 山種美術館
川合玉堂 《渡頭の春》1935-43(昭和10-18)年頃 絹本・彩色 山種美術館
小林古径 《河風》 1915(大正4)年 絹本・彩色 山種美術館
奥田元宋 《奥入瀬(秋)》 1983(昭和58)年 紙本・彩色 山種美術館
小堀鞆音 《那須宗隆射扇図》1890(明治23)年 絹本・彩色 山種美術館
川端龍子 《鳴門》(左隻) 1929(昭和4)年 絹本・彩色 山種美術館
川端龍子 《鳴門》(右隻) 1929(昭和4)年 絹本・彩色 山種美術館
奥村土牛 《鳴門》 1959(昭和34)年 紙本・彩色 山種美術館
小野竹喬 《沖の灯》 1977(昭和52)年 紙本・彩色 山種美術館