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これも超絶技巧! 熟練の職人たちによる手作業の結晶。アンティークレースの魅力をじっくり味わえる。
横浜そごうで見ることが出来なかったので、巡回した渋谷「松濤」の初日に見ました。私のようなただの一般人ではない方や、その筋の学生さんたちが結構大勢いらしていました。
松濤美術館は区立美術館としては凝った建築。建築家でマルチアーティストだった故白井晟一氏の作品 (静岡の「石水館」や自邸「虚白庵」で知られている)。企画展もなかなか面白いをやっていますし、展示以外でも講演やワークショップやコンサートなどもなかなか。
今回の「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」はクライスさんの数万点のコレクションの中から希少価値の高い16~19世紀のレース全盛期の品々を中心に、モチーフ、用途、ゆかりの人物など、単なる技法の説明にとどまらない網羅的な構成で紹介しています。第1章 誕生と変遷 /第2章 レースに表現されるもの/第3章 王侯貴族のレース /第4章 キリスト教文化に根付くレースの役割 (人生の節目節目に用いられたレース)/ 第5章 ウォー・レース(多くの人々の熱意と懸命な尽力によって守られたレースの技術と伝統)。 とても面白かったです。手芸好き、奇麗なもの好きというだけのごく一般人の私は、レースの認識がちょっと変わり、とても感動しまた。
それと、私はいつものように自前の単眼鏡を持って行ったのですが、今展は、(株)ビクセンが協力しているそうで、受付で単眼鏡「アートスコープH4×12」の無料貸出をしていました。レンズを通すことで、肉眼では分からない優美で繊細なアンティーク・レースの隅々まで楽しむことができるので、ぜひ借りて、肉眼と両方でレースの美を堪能してみるのがいいと思います。