4.0
雑多な感じもありますが、ルドルフ2世がアルチンボルドを愛した理由がわかる構成になっています。
ルドルフ2世が生きた前後の時代背景がところどころのパネルに書かれていて、併せて当時の美術の主流の流れがわかるように書かれています。
最初のコーナーでいきなり版画がずらっと並んでいたのは「こんな感じで展示が進むのか・・・」と思い、少し不安でしたが、そのあとは油彩メインで続いていきます。
章立てがうまくなされているので、各章のはじめの文章は必ず読んだほうがいいと思います。
知らない(有名ではない)画家の作品も多く、巨匠の作品が見たくて訪れるとややがっかりするかもしれませんが、最後にアルチンボルドのすばらしさがわかるように導かれています。
最後の部屋はルドルフ2世が集めた天文器具や剥製などで、美術作品には関係ありません。
展示室を出ると、そのまま常設展示室に行かず、一旦、入口のほうに戻ったほうがいいと思います。
出口から入口に戻る通路に、アルチンボルドの「春」「夏」「秋」「冬」の絵画を、現代作家が立体オブジェにしたものが展示されていて、ここは撮影できます。
なかなか面白かったです。
解説を読みながら、簡単に美術の歴史も知りながらのんびりと過ごしたい人には向いている展覧会だと思います。