4.0
激動の時代にもマイウェイを貫いた芸術家の生涯
実は、この抽象美術/木版画の名匠のことを私は詳しく知りませんでした。しかし、こうして個展で400点近い作品を集中的に見ると、大正、昭和という激動の時代に翻弄されることなく活躍したひとりの芸術家の生涯が浮かび上がり、身近に迫ってきました。西洋美術に日本的な“柔らかな感性”を巧みに融合させた自由な作風で、版画にとどまらず、油彩・水彩、写真、はては本の装丁まで、縦横無尽に活躍した恩地。戦後も、枯れることなく悠然と作品を制作し続けた芸術家のマイウェイな人生にしばし想いを馳せ、憧れと共にほんわかと幸せな時間を持てたのでした。。特にボストン美術館やホノルル美術館所蔵の作品に、個人的には惹かれるものが多かったです。会期最終日に駆けつけて、ホントによかった!