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壮観!! 修復完了で「十二の鷹」全てが勢ぞろい!!
今、東京国立近代美術館工芸館では、所蔵品展ながら実にスゴイ展示「名工の明治」展が開催されています。最近は明治大正期の「超絶技巧」があちこちで取り上げられていますが、こちらもその代表格、鈴木長吉の「十二の鷹」が、修復後はじめての展示がされているのです。今までも工芸館や泉屋博古館分館やトーハクなどあちこちで数羽は見たことがありました。とても金工とは思えない素晴らしい作品です。その見事な鷹が十二羽揃って、鉾垂れ(復元~低めの漆塗の衣桁のようなに装飾錦布や紐があしらわれたもの)にずら~りととまって色々なポーズを見せている様は、正に壮観!! 夢中で見入るうちに、ついつい床に引かれた観覧境界線を越えてしまう人が続出しているようでした。また修復で判った色々な技巧の説明やX線画像などもあり、増々感動でした。その他にも初代宮川香山や板谷波山や松田権六館蔵の他皆々見ごたえ十分な工芸名品が約100点展示されています。工芸は今一解らないからと思う方でも、これは一見の価値があるのではと思います。
東京国立近代美術館へは何度も行ったという方も、同じ北の丸公園内に建つ、中央に小さな八角形の塔屋を乗せた赤煉瓦に白石化粧のアクセントが美しい「旧近衛師団司令部庁舎」の建物が、その分館の一つ「工芸館」であることを知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ちょっと分かりにくい場所に建つため、全容がなかなか見えないこちらの建物も、内装はちょっとつまらないですが、外観は一見の価値ありと思います。ちなみに京都国立近代美術館でも今、「明治150年-明治の日本画と工芸」展をやっていますよね。キャパの問題も観覧料の違いもあるからもちろん、比較できるものではないです。
「工芸館」はたった250円で、更に特別展以外なら各月第一日曜や5/18国際博物館の日が無料で見られてしまいます。もちろん「ぐるっとパス2018」でも無料。JAF割もあります。
東京国立近代美術館本館では同じ5/27までの会期で特別展「横山大観」展もやっています。千鳥ヶ淵の桜はもう終わってしまいましたが、新緑の美しい季節、千鳥ヶ淵や皇居や北の丸公園などの散策は結構素敵です。合わせて如何でしょうか。