5.0
輪郭を描く日本画の人物の端正な美しさを堪能しました
ゴールデンウィークの終わりに、久しぶりに東京芸大の美術館を訪れました。別途、目黒のフジタの展覧会にも行きましたが、恐らく当時のヨーロッパの人たちにとっても新鮮だったに違いない面相筆で描く人物の輪郭線とマットな肌の質感、大胆な余白の美しさというフジタの美人画の源流である日本画をおさらいできた感じです。展示品の中で、上村松園の完成度の高さは群を抜いていましたが、2次大戦前の難しい時期に洋風のテイストを取り入れていた菊池契月の絵や、もし戦死していなければきっと素晴らしい画家になっていたのではと思わせる芸大の学生さんの絵には感じ入りましたし、松園と鏑木清方の作品を比べて見るなど、贅沢な時間を過ごせました。ちなみに、無料の音声ガイドは、他の美術館にないよいサービスと思いますが、操作に不慣れな方も見受けられ、混雑時には行列の要因になっていた気もします。