この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
桃山期に美濃で生まれた志野は、筆で絵付ができる乳白色の釉肌をもつやきもので、薄紅をまとった釉肌、鼠色や赤褐色の釉肌など、色彩や意匠によってバリエーションが豊富です。
志野筍絵陶片の発見を契機に志野の再現を志した豊蔵は、乳白色を呈した志野独特の釉肌と、淡くにじみ出る緋色(ひいろ)とのマッチングに心惹かれ、制作を重ねるごとに緋色のある志野を追求していきます。
試行錯誤を重ねた荒川豊蔵の志野制作は、独自の志野へと展開し、桃山の志野とは異なるフォルムや釉調を確立します。丸みのあるフォルム、釉薬の縮れが強い器肌、透明感のある釉色と緋色との絶妙なバランスなどが豊蔵志野の特徴であり、魅力のひとつです。
この志野に魅かれたコレクター・染野義信(そめのよしのぶ 元日本大学法学部教授)は、これらを“荒川志野”と謳(うた)い、昭和40年代以降の志野作品を集めていきます。しっとりと柔らかく焼き上がった個性的な“荒川志野”の収集を主体とし、画力を生かした豊蔵の赤絵作品にも着目しています。
これらは現在、染野コレクションとして、東京国立近代美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館に収められています。このたび、豊蔵の陶房と居宅公開記念の本展は、東京と山口両館の協力の元、染野コレクションの豊蔵作品を紹介する里帰り展です。
染野の眼を通して集められた約40作は、日本伝統工芸展への出品作や豊蔵自選作品集所収の作品も含まれ、豊蔵作品を語る上で核となる作品たちです。
本展では、染野の豊蔵作品に対する解釈を添えながら、作行の変遷や作品銘などを取り上げ、染野コレクションから見える“荒川志野”の魅力に迫ります。
■関連講演会
豊蔵作品の中核を担う染野コレクションを中心に、作品の魅力について講演します。
演題 「荒川豊蔵作品の魅力」
講師 唐澤 昌宏氏 (東京国立近代美術館工芸課長)
日時 10月15日(日) 午後1時30分から午後3時まで
場所 久々利公民館2F ホール
参加費 無料(申込無料)
定員 100名
■ギャラリートーク
荒川豊蔵資料館学芸員が展示をご案内いたします
期日 11月3日(金・祝)、11月23日(木・祝)
時間 午後1時30分より (約40分)
場所 荒川豊蔵資料館 展示室
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2017年10月6日(金)~2017年12月3日(日)
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会場 | 荒川豊蔵資料館 Google Map |
住所 | 岐阜県可児市久々利柿下入会352番地 |
時間 | 9:30~16:00 (最終入場時間 15:30) |
休館日 |
月曜日 ※10月9日は開館 10月10日(火)、11月24日(金)は休館 |
観覧料 | 一般 210円 団体 150円(20名以上) 高校生以下 無料 障がい者(手帳提示)の方と付き添いの方(1名)無料 選べる共通入館券※ 310円 ※「選べる共通入館券」を利用の場合、市内有料施設3館(荒川豊蔵資料館・可児郷土歴史館・戦国山城ミュージアム )のうち2館選んで入館できます。有効期限は1年間です。また、川合考古資料館 は無料で観覧できます。 |
TEL | 0574-64-1461 |
URL | http://www.city.kani.lg.jp/13822.htm |
割引券 | http://www.city.kani.lg.jp/10434.htm |
荒川豊蔵資料館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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