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ひたすらに意識下のものを鑑賞
500年も遡ると、あんなにもミステリアスなあの世が潜在意識の中に広がっていたのでしょうか?時代を追って鑑賞するうち、この特異な想像の世界が近現代のベルギー絵画にまでも受け継がれていることがわかり、不思議な旅をした気分です。幻想的かつ独自な作品で名を馳せるアンソール、デルヴォーやマグリットなどを育んだベルギー絵画はとても面白く、魅力的でした。
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現在のベルギー・フランドル地方とその周辺地域では、中世末期から発達してきた写実的描写の伝統の上に、幻想絵画(Fantastic Painting)というカテゴリーの絵画が発展してきました。空想でしかありえなかった事物を視覚化した想像画(Imaginary Painting)でもあり、フランドルの画家たちが描いた悪魔や怪物といった異形のものの姿は写実的であっただけに「本物」と感じさせる迫真性に満ちていました。
18世紀にかけて自然科学の発達とともに啓蒙思想がヨーロッパを席巻するなか、不可解なものは解明されてゆき、心の闇には光が当てられるようになります。美術の世界では、理想的な古代風景を合成するものや、実景に架空の要素を加えたカプリッチョ(奇想画)といった風景画が描かれるようになりました。
かつての幻想絵画の伝統が引き継がれるのは、産業革命後の19世紀、近代化・都市化が進み、人間疎外や逃避願望を背景として形成された象徴主義においてでした。フロイトの精神分析に関する知識が広まり、夢や無意識の世界にも価値が見出されるようになり、画家たちは心の中の世界を、あるいは心の闇を、自らの作品として表現し、個性と独自性を追求する取り組みの中で数多くの秀作を生み出しました。描かれた世界は、ある点においては真実であり、その真迫性において画家の力量が問われることとなりました。そして、この地域の絵画芸術の伝統は、今日のアーティストたちにも脈々と受け継がれています。
本展では、ベルギー・フランドル地域において幻想的な世界を作り出した一連の流れを、15、16世紀のフランドル絵画から、現代のコンテンポラリー・アートの作品にいたるまで国内外のコレクションによって紹介します。ヒエロニムス・ボスやブリューゲルにはじまり、象徴主義のフェリシアン・ロップス、フェルナン・クノップフ、ジェームズ・アンソールら、シュルレアリストのルネ・マグリット、ポール・デルヴォーら、そして現代のヤン・ファーブルまで、およそ500年にわたる「奇想」ともいえる系譜をたどります。
会期 |
2017年7月15日(土)~2017年9月24日(日)
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会場 | Bunkamura ザ・ミュージアム Google Map |
住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F |
時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 | ※7月18日(火)、 8月22日(火)は休館 |
観覧料 | 一般 1,500円(1,300円) 高大生 1,000円(800円) 小中生 700円(500円)
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TEL | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
URL | http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_belgium.html |
4.0
500年も遡ると、あんなにもミステリアスなあの世が潜在意識の中に広がっていたのでしょうか?時代を追って鑑賞するうち、この特異な想像の世界が近現代のベルギー絵画にまでも受け継がれていることがわかり、不思議な旅をした気分です。幻想的かつ独自な作品で名を馳せるアンソール、デルヴォーやマグリットなどを育んだベルギー絵画はとても面白く、魅力的でした。
2.0
渋谷の奥にあるbunkamuraにてベルギー奇想の系譜の展示を見ました。
ヤンファーブルの作品が良かったです。
4.0
不思議なもの、奇妙なものが好きなら、これはおすすめの展覧会。
それにしてもベルギーの美術の不思議なこと。
ヒエロニムス・ボス、ブリューゲル、ルーベンス、ロップス、クノップフ、アンソール・・・なんとも曲者ぞろいではないですか。さらに、ポール・デルヴォー、マグリット、ヤン・ファーブル(一作だけですが)と並ぶと、奇想のオンパレード。いったいベルギーという国にあって芸術とは不思議なものの代名詞なのではないかと思うくらいです。
ベルギーは国の成り立ちも、現在の政体も複雑で、それが文化の面にも影響をしているのかもしれません。
ベルギー美術、注目です。
4.0
第1章は、16-7世紀、第2章は、19世紀末から20世紀初め、第3章は、現代アート。
第1章が、細部まで注視しないと分からないので時間がかかります。そのうち会場の寒さに耐えられなくなってきますが、現代アートはそんなに時間を要しないので、なんとか切り抜けました。
真夏に、会場が20度くらいと、羽織るものを用意して行かれた方がいいかと。
ルーベンスまで、悪魔やら何やらを描いているのは驚きましたが、カトリック教会の要請とか。
異端を攻撃する為に、悪魔やら事後やらが、いろいろと描かれた。加えて、大国に翻弄され、戦い続きで、常に死が間近にあったベルギーという国を思います。
4.0
ほぼ前半の版画とか、ボス、ブリューゲルがマルカブリだったのと、「タラオ」さんもいたということもあって、バベルを見た人にとっては懐かしく、お帰りなさい、的なおもいもあり(ジブンは楽しん懐かしんできました)よかったです。
後半の現代的な作品は好き嫌いが分かれるかも・・・
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