5.0
大集合なので一気に楽しむチャンス
美術館巡りなどでたまたま一作品に出会ったとしても、深い印象を残すアルチンボルドの作品展が上野に。これほど贅沢に対面できるチャンスは少ないのかも知れません。宮廷画家らしい品格も備えた、精密でメッセージ溢れる肖像画は、今に繋がる奇想の先駆者のようにも感じられました。アルチンボルドメーカーでの記念撮影も、とても楽しめました。
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ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。
自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世という神聖ローマ皇帝たちに寵愛されたアルチンボルドは、歴史上でもひときわ異彩を放つ、宮廷の演出家でした。
そんな「アルチンボルド」の名は何よりも、果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画の数々によって広く記憶されています。奇想と知、驚異と論理とが分かちがたく交錯するそれらの絵画は、暗号のようにして豊かな絵解きを誘い、20世紀のシュルレアリスム以後のアーティストたちにも、大きな刺激を与えました。
本展は、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩約10点や素描を中心に、およそ100点の出品作品により、この画家のイメージ世界の生成の秘密に迫り、同時代の文脈の中に彼の芸術を位置づけ直す試みです。日本で初めて、アルチンボルドのユーモアある知略の芸術を本格的にご紹介する展覧会です。
会期 |
2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)
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会場 |
国立西洋美術館
![]() |
住所 | 東京都台東区上野公園7番7号 |
時間 |
9:30~17:30
(最終入場時間 17:00)
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休館日 |
月曜日 ※ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館、7月18日(火)は休館 |
観覧料 | 当日 一般 1,600円 大学生 1,200円 高校生 800円 前売/団体 一般 1,400円 大学生 1,000円 高校生 600円
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TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL | http://arcimboldo2017.jp/ |
5.0
美術館巡りなどでたまたま一作品に出会ったとしても、深い印象を残すアルチンボルドの作品展が上野に。これほど贅沢に対面できるチャンスは少ないのかも知れません。宮廷画家らしい品格も備えた、精密でメッセージ溢れる肖像画は、今に繋がる奇想の先駆者のようにも感じられました。アルチンボルドメーカーでの記念撮影も、とても楽しめました。
4.0
お盆休みにアルチンボルド展に行きました。子供の頃、図鑑で見た「夏」が記憶に残り、アルチンボルトといえば「夏」。本物の緻密さに感動しました。その他の作品も本当に緻密に、よく考えられて描かれています。地味ですが自画像の「紙」が気に入りました。
5.0
たくさんの絵を集めて一つの絵を作る
寄せ絵がセンスに溢れていて見応えがありました。
目玉の四大元素と四季の絵が一つに集められている
部屋はとても見応えがあります。
5.0
私は以前に渋谷のbunkamuraで開催された「だまし絵展」の一部でアルチンボルトの作品を観たことがありますが、今回の様に彼の作品群が世界から一堂に集結したのは初めてで、もう暫くはこの様な展覧会は見られないとのことです。
テレビ放映したためか、混雑していました。中に入ると直ぐに、30人ほどの列を発見。何かと思いきや、自分の顔を画面に映すとアルチンボルト風の絵に仕上がるというユニークな企画でした。混雑していなければ、試してみたかったのですが。
こちらの展示では約100点が展示されています。私の大好きなハブスブルグ家の3代の皇帝の側近として君臨したアルチンボルト。彼が何故に長きに渡り、皇帝に仕えることができたのか、あのユニークなだまし絵的な絵の素材をどの様にして手に入れることができたのか、あの奇抜ともいえる絵はハブスブルグ家の何を意味しているのか、誰の影響を受けてあの絵を描く切っ掛けとなったの等、その全ての謎を解いてくれるそんな展覧会でした。
余談ですが、常設展にル・コルビュジエの設計した国立西洋美術館の屋根の図面が「蚊取り線香型」となっていることを発見。では実際の屋根はという素朴な疑問を抱き、ミュージアムショップにて調査。その結果、四角い蚊取り線香型が途切れた四角形になっていることを発見し、納得。
5.0
展覧会を知った時は全く知識がなく、奇をてらった作品なの?
その後解説やテレビ番組などで皇帝のお抱え画家であり、絵の中に隠された深い意味があることを知りました
実際に作品を前にすると植物にしろ動物にしろその細部にわたるまで繊細で細密なことに驚き、見入ってしまいました
他の画家のおなじような作品もありましたが完成度のレベルが全然違うと感じました
祭事か何かのデッサンも展示されていましたが、皇帝のお抱え画家の仕事が単に絵画にとどまらずアートディレクター的な多岐にわたっていたこともわかりました
どの作品も見つめていると長居をしてしまうものでした
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ずーと見たかったアンチンボルトの「春」
パズルのように組み合わさったお花が肖像画に。平面図なのに立体に見えてくるのはアンチンボルトの才能。今回チケット当選で鑑賞でき感謝です。
素敵な時間をありがとう!
4.0
イタリアのマニエリズム画家、アルチンボルドの絵画は「だまし絵」として有名。
たくさんの野菜の組み合わせで表現された肖像画。あるいは魚介類、動物、花。
モデルとなった人物の職業や身分に応じ、素材は異なれど、いろいろな素材をパズルのピースのように組み合わせ、肖像画を構成する。
同工異曲といえばそれまでですが、その手並みはすぐれて絵画的。
そのアルチンボルドの大規模な展覧会が、おそらく日本では初めての開催。
単独の作品を見ることはあっても、一堂に会して圧倒的です。
アルチンボルドを語るときにキーワードのように出てくる言葉が「だまし絵」、会場に来ていた子供たちが、この奇ッ怪な絵も前にして、あ、象がいる、鹿がいる。リンゴだ、サクランボウだと、絵の中に埋め込まれた素材をみつけては嬉々としている様子が印象的。
しかし実際には「だまし絵」というよりは「判じ絵」に近く、判じ絵だから、謎解きを解くように、あ、ここに象がいる、鹿がいる・・・と見つけ出す。
ばかりか、描かれた人やその人の家にゆかりのあるシンボルを織り込むケースもしばしばあって、そこも読み解く必要がある。またたとえば、絵と言葉もダブルミーニングになっている仕掛けもほどこされているのではなかったか(澁澤龍彦のエッセイにそんな文章があったような記憶がある)。
何がどう描かれているかだけでなく、そこのこめられた含意を解読するという面白みも、アルチンボルドの絵にはあります。
とはいえ、これは知識がないと、今の日本に住む我々にはなかなか難しい。
そのためにも図録は買っておくべきでしょう。2800円は高くない。
5.0
若冲ブーム以降、何かと「奇想」づいている中、16世紀ヨーロッパを生きた真打ち登場。
フォロワーたちの作品と比べると、早すぎた天才の圧倒的な画力に驚愕すること間違いなしです。
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東京都台東区で開催中の展覧会
ジュゼッペ・アルチンボルド《春》 1563年 油彩/板 マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館蔵
© Museo de la Real Academia de Bellas Artes de San Fernando. Madrid
ジュゼッペ・アルチンボルド《夏》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
©Denver Art Museum Collection: Funds from Helen Dill bequest, 1961.56 Photo courtesy of the Denver Art Museum
ジュゼッペ・アルチンボルド《秋》 1572年 油彩/カンヴァス デンバー美術館蔵
©Denver Art Museum Collection: Gift of John Hardy Jones, 2009.729 Photo courtesy of the Denver Art Museum
ジュゼッペ・アルチンボルド《冬》 1563年 油彩/板 ウィーン美術史美術館蔵
©Kunsthistorisches Museum, Wien
ジュゼッペ・アルチンボルド《水》 1566年 油彩/板 ウィーン美術史美術館蔵
©Kunsthistorisches Museum, Wien
ジュゼッペ・アルチンボルド《コック/肉》 1570年頃 油彩/板 ストックホルム国立美術館蔵
©Photo: Bodil Karlsson/Nationalmuseum
ジュゼッペ・アルチンボルド《法律家》 1566年 油彩/カンヴァス ストックホルム国立美術館蔵
©Photo: Hans Thorwid/Nationalmuseum
ジュゼッペ・アルチンボルド《ソムリエ(ウェイター)》 1574年 油彩/カンヴァス 大阪新美術館建設準備室蔵
ジュゼッペ・アルチンボルド《庭師/野菜》 1590年頃 油彩/板 クレモナ市立美術館蔵
Sistema Museale della Città di Cremona - Museo Civico "Ala Ponzone" / Museo Civico "Ala Ponzone" - Cremona, Italy