4.0
龍馬以外が面白い
龍馬没後150年を記念する展覧会とのことで、期待を込めて観に行きましたが、龍馬関連の展示は期待はずれでした。目玉は龍馬が書き残した大量の手紙と遺品類ですが、どちらもあまり興味を惹かれませんでした。文字と絵で自由奔放に書きなぐられた手紙から龍馬の性格がわかりますが、内容が判読できません。遺品類も龍馬の愛用したとされる刀以外は観るべき物はありませんでした。
むしろ、龍馬が活躍した時代背景を示すため展示された品々に興味を惹かれました。「龍馬の生まれ育った時代」というコーナーで並べられた伊能忠敬の地図やペリー来航関連の絵図、「瓦版・錦絵からみた幕末維新」で展示された浮世絵、「美術工芸からみた幕末維新」で飾られた刀・甲冑類等、興味深いものが多かったです。
最も衝撃的だったのは、パークス襲撃事件で使用された二振りの刀(襲撃側の林田氏の刀と迎え撃った中井氏の刀)が並んで飾られていたことです。多くの展覧会で美しい刀剣を多数観てきましたが、刃こぼれした刀がそのまま保存され、時を経て再び対峙しているのを観るのは感動的です。面白い物を見せてもらいました。近々、泉屋博古館 分館で開催される刀剣の展覧会に行く予定ですが、きっと刃こぼれのない美しい刀剣が並んでいると思います。