この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
幕末から欧米諸国に広まったジャポニスムの影響により、日本の工芸品は人気を博しました。明治という新たな時代に入り、政府として初めて参加した1873 年(明治6)のウィーン万国博覧会(オーストリア)での成功は、さらなる輸出品の製造を後押しし、有田(佐賀)や薩摩(鹿児島)、九谷(石川)、横浜(神奈川)などの地域で豪華絢爛な陶磁器が盛んに作られました。輸出工芸品の図案集『温知図録』が政府によって編纂されるなど、国内外の博覧会への出品や輸出が大いに奨励され、陶磁器製造が殖産興業とも深く結びついた時代です。
兵庫県内の産地では、白磁の細工物に優品の多い出石の盈進社や、鮮やかな色絵製品を焼いた姫路の永世舎、江戸時代後期に創業した珉平焼の流れを汲む淡路の淡陶社などが輸出陶磁を焼いたことで知られています。
また、1868 年(慶応4)に開港した神戸港は、横浜港とともに国際貿易港として大きな発展を遂げます。神戸では港に近い利点を活かし、素地を他産地から取り寄せ、絵付けのみを行う製造者や販売店が操業しました。当時の人気を反映した、九谷の赤絵や薩摩の金襴手に倣った陶磁器が焼かれ、これらを総称して神戸絵付と呼んでいます。
本展では、2025 年の大阪・関西万博の開催に合わせ、博覧会が盛んに行われた明治期に兵庫県内で作られた輸出陶磁を紹介します。時代の潮流が生んだ華やかな陶磁器をお楽しみください。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2025年6月7日(土)~2025年8月24日(日) |
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会場 |
兵庫陶芸美術館
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住所 | 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日、7月22日(火)、8月12日(火) ※ただし7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館 |
観覧料 | 一般 700円(600円) 大学生 600円(400円) 高校生以下無料
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TEL | 079-597-3961 |
URL | https://www.mcart.jp/ |
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出展作品・関連画像IMAGES

出石/永喜山 白磁梅鶯貼付籠形蓋付壺 明治10~15 年(1877~82)頃 個人蔵

出石/盈進社 色絵金彩武士図花瓶 明治9~18 年(1876~85)兵庫陶芸美術館

姫路/永世舎 色絵金彩花鳥図花瓶 明治時代(19 世紀後半)個人蔵

姫路/永世舎 色絵金彩草花図花瓶(一対)明治時代(19 世紀後半)姫路市書写の里・美術工芸館

姫路/淡陶社 色絵花鳥図鉢 明治時代~大正時代(19 世紀後半~20 世紀前半)兵庫陶芸美術館

神戸絵付/介山 色絵金彩婦人図輪花皿 明治時代(19 世紀後半~20 世紀前半)兵庫陶芸美術館