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江戸後期から昭和まで、名所を描く美術はどう変わったか
江戸後期から昭和まで、旅と美術の関係を旅ブームと名所画、そして絵を描くためにあちこちを旅した画家たちを軸にした企画展でした。まあ、近代美術館で江戸後期を扱うのはどうなんだろうと思わなくもないけど、広重の東海道五十三次は1830年代で、庶民が旅をして楽しんだのだから近代みたいなモノかもしれない。
面白かったのは以下の3点。
1.名所を描く美術はどう変わったか、といった当たりが目新しかった。旅ブームに合わせて名所が増え、さらに山岳風景画へと発展していく。その延長にある東山魁夷作品という流れ。
2.明治に入って、画家達は海外に向かうのだけど、日本画家はアジア、つまりインドや中国。洋画家はヨーロッパに向かった。特に日本画家は、岡倉天心のアジテーションで、例えば横山大観はインドへ、といった当たり。
3.旅とデザインという切り口。展示の冒頭は吉田初三郎による鳥瞰図で描かれた鉄道案内図だし、杉浦非水によるインバウンドツーリスト向けの旅行雑誌も取り上げている。
どのテーマも深掘りして、一つの企画展にしてもらいたい。残念なのは図録がないこと。撮影は一部可。







