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織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム

ポール・ケアホルムといえば、20世紀デンマークを代表する家具デザイナーで、フリッツ・ハンセン社に所属していたことでも知られています。スチールやレザーを使ったシンプルな椅子のデザインが有名です。活動期間は1951年から1980年にかけての約30年間と短いのですが、今日にも復刻されているデザインの数々から、家具デザイナーとして、稀有な才能の持ち主だったことがわかります。


ポール・ケアホルムデザインで、私が真っ先に想像するのは、美術館の名画の前に置かれた黒いベンチソファです。シンプルで、主張が強くなくて、ゆったりと座れる大きな黒いレザーのベンチソファに腰掛けて、ほっと一息ついたことを思い出します。

今回の展示では、実際に座れる椅子も各種用意されています。身長の低めの私にとっては、背もたれが遠いため、座る時少し緊張感のある椅子がほとんどでしたが、体格のいい、足の長いデンマーク人には、ゆったりと座れてちょうどいいのでしょう。


もともと画家を目指していたポール・ケアホルムでしたが、祖父のすすめにより、家具職人に弟子入りをしたことで、家具デザイナーとしての一歩を踏み出しました。本人が選んだことではなかったけど、やってみたら向いていたといういい例だと思いました。

家具デザイナーになったのは、当時のデンマークの時代背景が影響していたのかもしれないし、ポール・ケアホルム自身が、許容範囲の広い人物だったのかもしれませんが、自分の信じた道を進むことが正解とは限らないと今回の展示を見て感じました。


ポール・ケアホルムの主要作品を網羅した、椅子研究家・織田憲嗣のコレクションの今回の展示は、日本の美術館では初めての展覧会となるそうです。


【開催概要】

展覧会会期:2024年6月29日(土)〜 9月16日(月・祝)

開館時間午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)

休館日水曜日(ただし9月11日(水)は開館)8月13日(火)〜16日(金)

主催パナソニック汐留美術館、東京新聞



プロフィール

RocketPenguin
都内在住、美術館巡りが趣味の主婦です。好きな美術館は初台のオペラシティミュージアム。最近良かった展覧会は宇野亜喜良展です。
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