「ART FAIR TOKYO 20」の振り返り

はじめに.
閉幕した「ART FAIR TOKYO 20」(以下、AFT)の振り返り。3月13日のレポートで紹介した作品以外にも、興味を惹かれる作品が多数あった。(前回のレポート:https://www.artagenda.jp/HiroSugi/artblogs/704)
「ギャラリーズ」
松岡柚歩(CANDYBAR Gallery)
今回、松岡は2つのシリーズを展示していた。そのうちのひとつ、ピールシリーズ(剥がれているものシリーズ)は、剥がれ方に特徴があったり、より後ろのものを想像させるような画面作りをしているそうだ。作品を間近に見ると、厚みのある絵の具を剥がしたような断面がある。その重なり具合から、塗られた色の順番を推理し、制作の様子を想像すると、より一層、作品を楽しめる。

松浦進(GALLERY MoNMA)
今回のギャラリーのコンセプトは「探求する姿勢」。この場合の「探求」とは、アーティストの自己表現にも通じるもので、個人が特定のテーマや対象に対して内発的な動機に基づき深めていくプロセスのこと。作家が情熱を持って求める対象は、多くの場合、自己の成長や満足感へとつながる。松浦は、(GALLERY MoNMAの)4名の作家の新しい展開を見て欲しい、と話してくれた。

「クロッシング」
山田千晴(石川県立輪島漆芸技術研修所)
山田は研修所を卒業し、その後、作家として独立して活動をしている。蒔絵とは、漆で絵を描いた上から、金粉や銀粉を蒔く技法のこと。またアワビや夜光貝などを使ったキラキラとした表現も魅力的だ。山田は、身近な自然の風景などをテーマに草花などもモチーフにした作品を作っている。漆ならではの螺鈿や金銀の光を見ていただけると嬉しいと、話してくれた。

「プロジェクツ」
黒田恵枝(AIN SOPH DISPATCH)
黒田は、使われなくなった衣類を素材にして、いろいろな異なる生き物のパーツを組み合わせ、空想の生き物のシリーズ「もけもけもの」を制作している。その姿は動物のようだが、手の仕草や、ちょっとした体のフォルムに、どこか人間らしい要素を感じ取れるように、意識して制作しているそうだ。山田は、繊細な手の動きや佇まいに、人間らしい存在感を感じ取ってもらえるとうれしいと、話してくれた。また、3月20日から始まるポーラ ミュージアム アネックスのグループ展にも参加するそうなので、そちらの展示も楽しみだ。

「フィルムズ」
東京ミッドタウン日比谷での展示の様子を紹介。


おわりに
陶芸のコーナーで、不思議な茶碗を見つけた。もし、写真の左側の器で抹茶を出していただいたら、どこから飲めばいいのだろう。

次回のAFTは、2027年3月12日から14日までを予定。お花見のついでに、出かけてみては。
Art Fair Tokyo in 2026
会期:2026年3月13日(金) - 15日(日)
会場:東京国際フォーラム、東京ミッドタウン日比谷