『Art Fair Beppu』(アートフェア別府)2025 世界有数の温泉観光都市で作家に出合い、作品に出合うアートフェア

はじめに
『Art Fair Beppu 2025』が、別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ) で始まった。本アートフェアは、世界有数の温泉観光都市・別府で開催され、アーティストと出会い、作品を購入できることが特徴だ。
出展作家は70組。絵画、彫刻の他、パフォーマンスや映像作品もある。『Art Fair Beppu 2025』に来場し、世界に羽ばたく新進作家を見つけてみてはいかが。
以下、会場内で気になった展示を紹介する。
Chim↑Pom from Smappa!Group
Chim↑Pom from Smappa!Groupは、本アートフェアのゲストアーティスト。彼らは、ポップアップ・ショップ「KANE-ZANMAI」を出展している。アートフェアの中に、さらにショップを開店させた入れ子構造が面白い。ショップの向かい側は、休憩コーナー兼食堂になっていて、にぎやかなコンビニのようだ。

村田峰紀
彼は大きな木製の箱に入り、ボールペンで箱の内側に「グルグル」と螺旋状のドローイングを描く。その行為は、やがて自身を密閉する分厚い木の板を突き破り、箱から手や腕がのぞく。穴が開き、引っ掻き跡が残る木の板と、箱の中から聞こえてくる「ガリガリ」という音の関係性に気がつくと、「あっ」と驚かされる。

宮内由梨
彼女は、「かゆみ」という感覚に関心を持ち、作品を制作している。日常的に「かゆみ」については、あまり話題にしないことへの疑問が表現の出発点だ。抽象的な画面に隠れた、痒いところに手が届かない歯痒さを想像させられる。

Kana
彼女の作品には、布や毛糸が使われている。石材や木材、金属の作品のような硬さや厳しさがないことが特徴だ。このような作品は「柔らかい彫刻(ソフト・スカルプチュア)」と呼ばれている。彼女は「かわいい」と感じてもらうことが、アートへの関心の入口になると考えているそうだ。

韓成南
彼女は、日本初となる海中美術館プロジェクト「海の中の美術館」に取り組んでいる。本美術館は、海中でのみ作品を鑑賞できるというユニークな特徴を持つ。本アートフェアは、陸上で開催されているが、いずれは、水中の鑑賞体験まで拡張するかもしれない。

中塚文菜
彼女の作品は、まるで推理小説のようだ。画面の不規則な塗り残し、画布から透ける木枠、その下に散らばる木屑などが、事件現場に残る手がかりを調べる探偵のような気分にさせる。作家にコントロールできる部分と成り行きに任せる部分が、うまくバランスした抽象表現的な作品だ。

時吉あきな
彼女は、スマートフォンで撮影した写真をプリントし、ほぼ原寸大の立体コラージュとして再現する。平面の写真を立体にすることで、作品には不自然な歪みや独特の表情が生まれる。そのようにして生み出された立体と平面の技法を組み合わせることで、肉眼では判別のつかない、よく見るとグロテスクな瞬間を取り出して見せてくれる。

その他の気になるブース


おわりに
本アートフェアでは、作品展示の他にトークイベントも行われる。また、別府市内では『ベップ・アート・マンス 2025』(市民文化祭)も開催される。アートフェアと街巡りの両方に挑戦してはいかが。
展覧会名 アートフェア別府2025
会場 別府国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)
会期 2025年9月27日~9月29日