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皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―

皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―

皇居三の丸尚蔵館|東京都

開催期間:

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動植綵絵という人類の至宝

皇居三の丸尚蔵館が開館すると聞き、すぐに予約してオープン二日目に伺いました。
目当てはもちろん、国宝・動植綵絵。
第一期で展示された作品は全4幅。

『南天雄鶏図』のびっしりと鈴なりになる南天を背景に雄々しく佇む雄鶏。黒い羽根は一本一本ふっくらと重なりが描かれ、幾重にも異なる黒が使い分けられてるように感じられました。雄鶏の目線は力強く、羽根の黒と南天の赤が対照的で美しかったです。
『菊花流水図』は、古典的で伝統的なモチーフでありながら、一幅の中の配置、精緻な筆致、エメラルドグリーンのような印象的で世にも美しい色彩から、新鮮で鮮烈な印象を受けました。
『老松白鳳図』は、白鳳の優しげな表情が印象的で、白い羽根が緻密に描きこまれ広がる様子が華やかで幻想的な美しさを放っていました。白鳳の柔らかな表情・羽根の質感と、老松の固く古びた木の皮の質感の対比が言葉を失うほど美しかったです。
『秋塘群雀図』は、雀の可愛らしさとそれを愛でる若冲の眼差しまで感じられるような、美しく忠実そしてユーモラスな印象を受けました。一羽一羽の表情やしぐさがみんな違っていて愛らしく、表情がほころびいつまででも見ていたい気持ちになりました。

動植綵絵を見て、緻密な描写と華やかで美しい色彩、優れた観察眼から描かれる動物たちの息づかいを感じるようなリアルで美しいしぐさ、配置や取り合わせ、色彩のセンス…好きなところを上げるときりがないほど伊藤若冲が素晴らしい画家であることが実感できました。これらの作品は間違いなく人類の至宝です。

こんなに素晴らしい作品を、近くで見られて撮影OKなのがとても嬉しく、三の丸尚蔵館の心の広い対応に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
ただ撮影に夢中になりすぎて周囲に迷惑をかけている見学者も少しだけいたので、欲を言えばですが動植綵絵の近くでスタッフの方が見ていてくださるともっとありがたいのになと思いました。
でも完全予約制で混雑状況を見て入場を制限してくださっていたおかげでスムーズにみられて全般的に大変快適な鑑賞環境でした。

以前、2016年に東京都美術館で若冲展が開催された時には入場まで6時間待ち、黒山の人だかりの中から遠くにある作品を眺める…という状況で泣く泣く見学を諦めたので、長年心待ちにしてきた動植綵絵の展示で、良い環境で見られて本当に本当に、感無量でした。遠方からですが後期もぜひ伺いたいです。

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