交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界
国立民族学博物館|大阪府
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“今”生きているヒンドゥー教
現代のインド国民の多くが信仰するヒンドゥー教を神像を中心に紹介しているわけですが、概要や歴史にも触れてはいるものの、展示の核は今現在のヒンドゥー教のあらましである。宗教的儀式や祭りと言った内容も多いが、ヒンドゥー神像が描かれたステッカーや切手、小物も展示されていて、現代でも身近な存在にヒンドゥー教があることを認識させてもらえる。
入口入ってすぐの展示室には、ひと際目立つドゥルガー女神の神像とともに、祭壇へ置かれる祭具や儀式で用いられる楽器類が展示してあった。また1日2回、自動打楽器装置の演奏もあり、展示室全体に響き渡るけたたましい音楽が耳に残る。
それ以降、シヴァ神やガネーシャ神と言った著名なヒンドゥー神像とともに、インド各地で行われる祭礼で使用される仮面、人形や祭具が展示されていて、そのどれもがカラフルでその色彩が印象的である。中でも、シヴァの憤怒相であるバイラブの仮面はインパクトが強烈であった。
そして最後の展示室では、現代の日常生活に取り込まれたヒンドゥー神像が取り上げられている。ステッカー、カレンダー、はがき、切手、トランプやパッケージ等々、インドの日常生活において、ヒンドゥー教がいかに身近なものか認識させられる。特にステッカーは種類が豊富で、玄関や自家用車等の実例も紹介させていて、とても興味深かった。
ヒンドゥー教入門としては最適な展覧会であり、アートというよりも民俗学的側面の強い展覧会である。