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第10回 日展 神戸展

第10回 日展 神戸展

神戸ファッション美術館|兵庫県

開催期間:

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書は芸術か

天下の日展の1ジャンルとしてあるのだから、芸術なんでしょう。高校の「芸術」教科の中にもありますし。
題材はすべて「字」です。それを墨と筆で和紙に書くだけです。何を書くかというと「文」です。
字の集合体が意味を持ったもので、字の種類も漢字とかなだけ、字体には数種類あるものの、それ以上でも以下でもありません。
そんな限られた条件の中で、書家は独自の書体や書法で頂点を目指します。その違いをもって芸術性を競うということなのでしょう。

書道の展覧会は何度か見てきました。今回は初めて日本最高峰の芸術コンクールである日展の入選作品を見ました。
会場は神戸ファッション美術館です。ここは、同じ建物、同じフロアに同館と神戸ゆかりの美術館の二館が向かい合う形で位置し、日展は両館を使って開催されています。「ゆかり」で絵画、「ファッション」で彫刻、工芸、書の展示分けがなされていました。

先に絵画を見ました。どれも流石の腕前の作品ばかりで、素人目にも地方のアマチュア画家の発表会レベルじゃないのは一目瞭然でした。
(そんなのと比べるなとの御説ごもっとも。すみません。)
絵画の部のレビューは、ゆかりの美術館の登録が当サイトにはないので書きません。

会場をファッション美術館へ移動し、彫刻、工芸と見ました。これも素晴らしい作品ばかりで、やっぱり日展は違うなと思いました。
そして、最後に書の展示コーナーへ。

ここでも、ひたすらに字の上手さに感心です。字は読めるのもあれば読めないのもあります。
それが並んで漢文になってたらサッパリわかりません。草書のかな文字もしかり。何が書いてあるかは読めません。
全体的に見て達筆だなあと思うしかありません。
字体は、行書、草書、篆書、隷書で楷書はありません。楷書だったら、字は読めるし漢文でも感覚的に意味をつかめるかもしれないのに残念です。
楷書に芸術性はないのでしょうか? 私らが学校でやった習字は楷書でした。習字と書は違うものなのでしょうか?

日展というコンクールですから、当然順位がついています。特選とか都知事賞とか総理大臣賞とか。
絵や彫刻や工芸でそういう賞を取った作品を見たら、なるほどなあと頷くこともできますが、書の場合、特選と入選の差異はまったくわかりません。
そこにはやはり素人にはわからない厳然とした判定尺度があるのでしょう。

で、最初の問いに戻ります。書は芸術か?
私は、書の芸術性は絵画、彫刻、工芸などとは切り離すべきだと思います。別物です。
書を芸術分野から外せとは言いませんが、書は書で独自の道を歩むべきだと思います。

じゃあ、美術館にも書があるのはなぜなのか。
理由の一つは、考古学的あるいは学術的な文献としての意義を有するもの。これはまあ美術作品というよりも文化遺産的なものですから、美術館や博物館にあってもいいと思いますし尊重しなければなりません。昔の中国人や日本人の字は美しいですし。

そしてもう一つ、美術館にあるのが前衛書です。
これは、芸術でも美術でもないと思います。単なる支離滅裂な墨遊びです。
書は字です。前衛書家が書いたものが字だとわかるかたいますか? さらにそれのどこに美や芸術が感じられるのでしょうか。

おりしも、兵庫県立美術館で前衛書の大家の展覧会が開催中です。
この人の作品は過去に国立の美術館で何度か見ました。そのたびに不快な思いをしてきました。
日展に前衛書がないのはせめてもの救いでした。

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