北原照久コレクション展 -おもちゃ!広告!驚きと感動と心温まる物語-
芦屋市立美術博物館|兵庫県
開催期間: ~
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昭和は遠くなりにけり
TV番組「開運なんでも鑑定団」でおなじみ、北原照久さんのコレクション展に夫婦で行ってきた。
会場は芦屋市美術博物館。2022年7月から来年3月末まで長期休館に入るそうで、その前最後の特別展だ。
平日の午後、雨天もあってか客は数人で、静かに目を凝らして展示品の数々を懐かしく鑑賞させてもらった。
ここに集まった北原コレクションには平成以降のものはない。すべてが明治、大正、昭和の三時代のものばかりだ。
だから、私ら昭和中期生まれの夫婦でも、同時代に手にしたものと、まったく未知の時代のものと、両方が並んでいる。
で、やっぱりしげしげと見て懐かしいのは昭和30~40年代の玩具だ。
私は、ゴジラ、アトム、鉄人、ウルトラマン、仮面ライダーなどの怪獣やヒーロー系。女房は、リカちゃん、タミーちゃんなどのお人形さん系。
北原さんの得意中の得意分野、ブリキのおもちゃ系もいろんなジャンルから貴重(に違いない)なアイテムが集結している。
乗り物は言うに及ばず、ロボットは本当に目が釘付けになった。
中でも、ひときわ目立ったのが「スモーキングロボット」。歩くのはもちろん、口から煙を吐くものすごいやつ。
私も持ってたことがあって、こいつに会えたのは嬉しかった。当展にあったのは新品同様の美しさで、たぶん時価ウン十万はするのではなかろうか。
北原さんと言えば「箱」。「箱が大事」はコレクターの合言葉として完全に定着した感あり。当展でもちゃんと並んでましたw
その箱の中で、私の目に留まったのは「ママレンジ」。酒井和歌子さんの写真入りだったとは知らなかった。
ちなみに、女房はママレンジは持っておらず、持ってた友達がめちゃくちゃうらやましかったそう。
企業キャラの人形たちも全員集合だ。
店頭で客寄せしてた大型のやつから、売り場やレジ横にあったマスコットサイズまで昭和へのタイムスリップ感がハンパない。
この手の企業オリジナルキャラ、今はほぼ絶滅してるのがなんとも寂しい。
明治大正のアイテムは、まさに博物館もの。
置き薬のコレクションは、中身も入ってるのがかなりありそう。「アスナオール」なんて薬、ナイスなネーミングだけど、今使ったらコンプラ違反かな?
紙ものも泣かせる。
明治期の双六、昭和の少年誌の付録、メンコ、ポスター等々よくぞ令和まで生き残ってたと思わせるものばかり。箱もそうだが、「戦火を逃れて」という形容句が最もふさわしいのは、紙ものだろうね。
他には、映画のポスターが素晴らしい。
東宝怪獣ものはおもちゃと一緒に並んで展示を盛り上げ、ロビーや二階回廊にディスプレイされた洋画の海外版大判ポスターも実にカッコイイ。中にはハリウッド映画のフランス公開時のもあって、北原さんの収集範囲の広さに脱帽だ。
膨大な数のコレクションから厳選されて芦屋へやってきた、愛すべき北原コレクション。
令和を生きるジジババ、オヤジオバハンは、山のようなお宝を見て昭和の少年少女へと回帰する。
北原さんありがとう。
私の秘蔵品も鑑定してもらう日が来るかもしれません。その時はよろしく。