
ポーラ美術館コレクション展 モネ、ルノワールからピカソ、シャガールまで
あべのハルカス美術館|大阪府
開催期間: ~
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女性肖像画を中心とした、優しい雰囲気の絵画展
印象派代表者と言えるモネの少女像『森の中の少女」が出迎えてくれた。幾つかの彼らしい風景画の中で、「散歩」に脚をとめた。手前のやや暗い部分と、空を含めた明るい草原のコントラスト。そこに立つ遠近法で描かれた大きな木と、遠くの並木道。その風景に自然に溶け込む三人。日陰だろうか、暗いところの夫人と、やや遅れて歩く二人に、明るい日が指している。
穏やかな優しい光に、印象派を感じた。浅学のため意外性を感じたのは、ターナーを思わせる「サン・サラザール駅の線路」。左から近く機関車が、煙に見え隠れする様など、ターナーの雰囲気を感じました。「印象・日の出」で見る、朝焼けの薄霧に、左から近く船の一瞬を捉えた感じとダブるところもありました。もちろん、「睡蓮」も、まだ早い時期のものでしょうか、クッキリとした形と陰影が美しい作品ですね。
ルノワールは、今回の美術展の表紙を飾る少女の絵にもありますが、確かに柔らかな夢みる少女は、良いですね。同時期の「水の中の裸婦」も、後期に見られる、ふくよかな女性も、ルノワールを感じました。シスレー、ゴーギャンと続く中に、ゴッホの「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」がありました。彼の得意構図でしょうか、アルルの跳ね橋を思い出しました。ただ、アルルの跳ね橋に感じる、黄色を多く用いた、明るさが少しないため、私にとって、少し違和感を感じさせるものでしたね。
また、目に留まったものに、じっと考えてるかのような婦人像があった。ピエール・ラブラード作で、何か幻想的な佇まいの婦人像で、しばらく見ていました。
私に、ポーラ美術展だと思わせたのは、マリー・ローランサンです。3作有りましたが、どれも、幻想的で、柔らかな色使い、妖精のようなイメージを十分に感じました。少しづつぼかしたグラディエイションが良いですね。
キュビズムの代表者ピカソの婦人像も作有りました。キュビズムで描かれた婦人像2作は、明るくやや派手目に描かれていましたが、「帽子の女」が好きですね。貼り絵のようで、曲線部は、よく見られるギターなどの楽器みたいで、面白いですね。
他にも色々な婦人像が描かれた作品が並べられ、特にモディリアニの婦人像は、なんといってもその特徴的な面長と、どこかで見かけるご婦人感があって、好きな画家の一人です。「ルネ」を見ていると、ビートルズのりんごスターが重なって、思わず、楽しくなりました。
他にも、多数の作品があり、楽しめました。木スリングの「ファルコネッティ嬢」も赤い服と赤いバラ、赤いスカーフに白い肌の単発女性という組み合わせで、足を止めた作品でした。
以上、手短に感想を書きましたが、コロナ下で、会話中止のプラカードを持った、多くの係員の方々が立たれ、異様な雰囲気の中の鑑賞でした。