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白鶴美術館は、1934年(昭和9年)5月に開館した、私立美術館のさきがけともいえる美術館である。白鶴酒造七代嘉納治兵衛(正久)は、1862年(文久2年)、奈良、興福寺縁の旧家中村家に生まれ、幼少のころより古都の古美術に親しんでいた。1875年(明治8年)より開催された奈良博覧会では、自らその看守役を申し出て、美術の眼を養ったという。
縁あって灘、嘉納家の当主となった後、酒造業のかたわら、雅号「鶴堂」「鶴庵」、最晩年に「鶴翁」を名乗り、美術蒐集と煎茶・抹茶を趣味としている。そして、1931年(昭和6年)、古希の記念に自ら蒐集した美術品のなかから優品500件選び、設立したのが白鶴美術館である。
現在の所蔵品数は、国宝2件(75点)、重要文化財22件(39点)を含む、1450点以上である。世界的に知られる名品も数多く、中国、商・周時代の青銅器、唐時代の銀器・鏡をはじめ、技術発展の目覚ましい宋・明時代の陶磁器、その他、戦国から漢時代の漆器・金工品、そして、日本美術では、奈良から平安時代の経巻、古筆手鑑や古寺伝来の美術工芸品、鎌倉から江戸時代の絵画まで、そのほとんどは七代治兵衛の蒐集によるものである。
◆本館建築
青銅葺の屋根が重厚な印象を与える城郭風の本館は、美術品の展示・保管という目的から、耐震耐火を考慮し、堅牢な鉄骨鉄筋コンクリートが導入されている。広々とした室内の天井・床・柱など、木材を多用した内装は、収蔵・展示する東洋美術に相応しい趣きがあり、また、玄関の鉄扉、展示室内の釘隠し、二階展示室の天井画、廊下の照明器具など、鶴のモティーフが随所にあしらわれている。
◆新館
1995年(平成7年)10月、開館60周年記念事業において、新たな施設が開設された。主に白鶴酒造十代当主嘉納秀郎(白鶴美術館第四代理事長 1934~2010)が蒐集した近代中東絨毯の展示館である。染織品の劣化を防ぐため、機械空調による温湿度管理と光の侵入を極力抑えた設計になっている。中東における絨毯産業の黄金期ともいえる19世紀中期から20世紀中期の作品を主に所蔵し、欧米の絵画的要素に影響を受けつつデザインされた古典的な文様と伝統の技を今に伝えている。
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