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アートブログ

2023年度 企画展&美術館

Nippon Mingeikan and EXPO'70 Memorial Park

2023年度もかなりの美術展に行きましたが、本年度ほど会場の様相の変化を痛感し苛立った年はありません。

それは写真撮影を認める美術館、展覧会が増えたことです。

なんで?いいことじゃないかとおっしゃるかたは多いでしょう。特にSNSやってるかたに。

でも、私にとってはあのシャッター音が苦痛以外の何者でもないのです。 ほんとは美術展会場での撮影は全面禁止にしてほしい。

そういうと必ず、欧米では普通に撮影OKだという人がいます。

だったら日本のスマホも欧米同様に音消しできるようにすべきだし、欧米人同様に音を消して撮影するべきです。

あの音を騒音と思わない日本人が増えてきてるのは本当に恐ろしい。

SNSにUPしてねと撮影を煽る美術館も美術館です。 SNSを宣伝に利用するなら、せめて音は消してねぐらい言うべきです。消せないスマホには 会場入り口で消音アプリのQRコード掲示するとか。

私の知る限り、消音せよと会場で告知してる美術館は 松岡美術館と東京オペラシティAGだけです。 後者はお願いベースですが、言わないよりははるかにマシです。

美術展会場のシャッター音は、コンサートや映画館での着信音と同じことを鑑賞者は理解すべき。

てなわけで、「不適切にもほどがある!」と昭和ジジイのボヤキでした。


Irie Taikichi Memorial Nara City Museum of Photography

引き続き、恒例の2023BEST&WORSTにいきます。 解説は後回しでまずは列挙します。


GOOD

日本近代絵画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち /兵庫県立美術館

魚へのまなざしー長嶋祐成と大野麥風 /尼崎市総合文化センター

幕末土佐の天才絵師 絵金 /あべのハルカス美術館

田中忠雄展ー聖書を描く /関西学院大学博物館

顕神の夢 /川崎市岡本太郎美術館

ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画 /太田記念美術館

恐竜図鑑 /上野の森美術館

野又穫 想像の語彙 /東京オペラシティアートギャラリー

没後50年 松野一夫展 /北九州市立美術館分館

小磯良平生誕120年 働く人びと /神戸市立小磯良平記念美術館 ※第6章を除く

超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA /三井記念美術館

開館35周年記念 福田美蘭―美術って、なに? /名古屋市美術館

みちのく いとしい仏たち /龍谷ミュージアム

日本の画家たち展 /周南市美術博物館

創建350周年記念展示 錦帯橋展 後期「美をうつす」 /岩国徴古館

漂泊の画家 不染鉄 /奈良県立美術館

国立民族学博物館

和歌山県立近代美術館

山形美術館


Castle Viiew from The Museum of Modern Art,Wakayama

Disappointed

松園、松篁を語る /松伯美術館

いとしのレトロ玩具 /弥生美術館

美術の中のかたち―手で見る造形 遠藤薫 眼と球 /兵庫県立美術館

小磯良平生誕120年 働く人びと 第6章 働く美術家 乙うたろう( 前光太郎)の場合 /神戸市立小磯良平記念美術館

テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ /大阪中之島美術館

古田織部美術館

東京都現代美術館

皇居三の丸尚蔵館


Iwakuni Choukokan

GOODについてはレビューをご覧ください。

当サイト登録がないものへの賛辞をちょこっと。

魚へのまなざし:私は博物画が大好き。魚の絵の新旧2名の達人に大満足でした。

田中忠雄:関学博物館、いいですねえ。さらにそこで見たキリスト受難劇の油絵。感動でした。

松野一夫:血沸き肉躍る少年探偵団本の表紙絵画家。推理小説ファン感涙。

日本の画家たち:笠間日動から来た絵と周南市美博の林忠彦写真とのコラボ。ナイスな企画でした。

錦帯橋:世界遺産を目指す錦帯橋のすべてを地元博物館が総力挙げて特集。拍手です。


今年のMY BESTは福田美蘭展と国立民博です。

民博はレビュー書く気満々ですが、もう一度弁当持って訪問し1日がかりで見なければ書けません。


Yamagata Museum of Art

ガッカリ軍団へのノミネート理由も。

松伯:松園は下絵ばかりで心底ガッカリ。孫の絵は祖母が見たら泣く。

弥生:タイトルに惹かれたが女子向けばかりで観覧時間15分。

テート:現代アートは不要だった。大嫌いなタレルもあったし。

古田:地下の小部屋。やかましいマダムの会話が響く響く。

都現美:なぜに展示リストなくした。カッコつけるな。

三の丸:撮影全面OKは完全な愚策。都倉長官、頼むから撮影禁止にしてください。


Approach to Jotenkaku Museum

ガッカリの中の2件は怒り心頭。まれにみるWORSTです。以下詳述します。

1件目は兵庫県美であった「美術の中のかたち―手で見る造形 遠藤薫 眼と球」です。

タイトルにある「手で見る」とは作品に触れるという意味で、会場入り口ではスタッフさんから 触ってみたいかどうかを問われ、YES回答すると除菌シートによる厳重な手指消毒が実施されます。

晴れてOKもらって会場に入れば、布を主体にいろんな材質の作品が展示され、それらはすべて触れるようになってます。

布の手触りはまあ予想と違わぬもので、何か変わった感触が得られるものはないかと見ればありました。 顕微鏡が1台置いてあるではありませんか。

もちろん他の物に交じっての配置で それを覗けば何かが見えるよと言ってるような作品です。 かつての顕微鏡少年だった私は嬉々としてピント調節ツマミを両手で持って接眼レンズに目を近づけようとしました。

そしたら電光石火でスタッフさんが飛んできて「やめてください!」とダメ出し。

「は? 触っていいんじゃないの?」と問えば、「軽くなでるだけで、つまんだり持ち上げたりは禁止です。」だと。

ナニソレ???? 顕微鏡なでてどうすんの。 すぐそばにはビー玉の山もあったりして、それも表面をなでるだけ? つまんで宙にかざして透かして見なきゃビー玉なんて何も面白くないでしょ。

いったいどういう展覧会なんだと憤慨し、あとは何も見ずに会場出ました。

遠藤薫さん、これはあなたの本意ですか? 兵庫県美のとった対応はこれでよかったのですか?


Yamaguchi Prefectural Art Museum

2件目。神戸市立小磯良平記念美術館であった「働く人びと」展。

当展は労働、職業をモチーフに、小磯を始めいろんな作家の作品が全6章の構成で紹介されており、 内容は素晴らしく、私のBEST展入りしています。

問題だったのはただ1か所。第6章に展示されていた「乞うたろう」なる作家のコーナー。

この人は神戸市立の小学校で美術教員をやるかたわら、アーティスト活動もしているそうで アニメ画を描いた壺を作品として発表してきています。

現代の美術アーティストはどうやっておまんま食ってるか、そしてそこにある悩みや葛藤は・・・ といったことを取り上げたくて、当展に駆り出されたのでしょう。

二足のわらじで大変だなあ、よくがんばってるねと言ってあげたかったのだが、 この人のコメントがパネルに長々とあるのを読んで、その思いはかき消えて怒りへと変わりました。

曰く、美術教師としての仕事は「どうでもよい」、「苦痛だ」 なんですと。

アーティスト活動に専念したいんですよね。それには教師が重荷なのもわかります。 でも、それを言っちゃあおしまいでしょ。あなたのアニメ壺の制作費用は教師の給料から出てるんでしょ。

それよりもなによりも、毎日教えてる子どもたちに顔向けできますか。

子どもたちは先生に「どうでもよい」と思われてるのが本当にかわいそう。

こんな人物を教師に採用した神戸市も問題です。 百歩譲って、採用試験では見抜けなかったとしても、市立美術館の展覧会に こんな悪質なコメントを堂々と公表させてよいのですか。

「不適切にもほどがある!」とはこのことです。


Nakanosima Museum of Art,Osaka

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2024.4.12 追記

ガッカリ企画展に「没後50年 福田平八郎 /大阪中之島美術館」、ガッカリ美術館に「大阪中之島美術館」を追加します。 理由は美術館の感想・評価に記載しました。


プロフィール

Sukekiyo-Acckerman
山口県在住。地元や近県を始め、年に数回首都圏や関西圏の美術館を回ってます。
好きな作家はゴッホ、好きな美術館は山口県の二館、萩美術館と香月泰男美術館。
ジャンルは絵画、彫刻、工芸、写真、どれでもOKですが、一発芸の現代アートや前衛書道は大嫌いです。
展覧会レビューはすべて「鑑賞レポート」に書いてます。
地方から高額な旅費払って見に行く展覧会が多いので、「感想・評価」に短文書いて点数付けて一丁上がりにしたくないからです。
ただ、投稿の中身はスカスカです(笑) アホなやつだと気楽に読みとばしてください。
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