4.0
日本の近代洋画史を概観できる展覧会
展覧会のタイトルからは、ドニの作品ばかりが並べられている内容を想像するが、実際はそうではない。
ドニの作品はもちろんあるものの、ドニだけでなく、特にパリという視座から日本の洋画史を辿れる内容となっていた。
特にこの時代の美術に興味がある私としては、非常に満足度の高い展覧会だった。
もちろん、ドニの作品も何点もある。
個人的には、明暗の対比がやりすぎて違和感を感じる作品がないわけでもなかったが、写真撮影がOKだった《ベンガル虎 バッカス祭》は非常に良かった。メインビジュアルの《若い母》も、柔らかな色彩の中に対比があり、そして何より生き生きと描かれている表情が印象に残る。
日本のものとしては、梅原龍三郎の《ナルシス》、児島虎次郎《化粧》あたりが印象的だった。特に色が良かった。
また、地元の作家も何人か取り上げられていたのも良かった。
ドニだけでなく、日本の近代洋画に興味がある人は一度足を運んでみて欲しいと思う。