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色で仕分け、は名案です
宮本三郎記念美術館の所蔵品より約30作品を、緑・黄・黒・赤・青の五色で分類して構成展示する企画展。当然にして、各エリアが各々のテーマカラーに染まります。これは楽しい。なかなか面白い展示手法です。
会場の解説文より。「色彩家カラリストとしての側面も持っていた」「宮本作品の豊かな彩りは年月を追うごとに鮮麗さを増してゆく」・・・確かに作風変化のなかで、50歳代からはより大胆な原色づかい、より凹凸豊かなマチエールとなりますね。大変僭越ですが、宮本先生の絵は、様々な西洋絵画の作風を捉えては自らの表現の幅を広げておられ、どれも完成度が高く、なんでもできちゃうんですね、と感服してしまいます。豊穣で多彩なキャンバス上の世界には苦悩の痕跡は持ち込み禁止、と感じました。
《女優》のポストカードを購入。黄と黒の縦縞に描かれる雪村いづみさん、虎キチが泣いて喜びそうな一作です。